7054 開館70周年記念展「重要文化財の秘密」

博物館・展覧会,芸術・デザイン

「重要文化財の秘密」
「重要文化財の秘密」

開館70周年記念展「重要文化財の秘密」鑑賞のために、東京国立近代美術館へやってきた。

先月来たときもお客さんが多かったが、今日も多かった。

ニュースなどで紹介されているせいか、この企画展の内容が特別だからか…。

明治以降に制作された絵画・彫刻・工芸で重要文化財に指定されているのは68件あるそうだが、今回のこの企画展では51点展示するという。

お客さんが多かった…
お客さんが多かった…
横山大観《生々流転》を鑑賞する列
横山大観《生々流転》を鑑賞する列
もっとも展示替えがあるため、全部を見ることはできないのはちょっと残念。
以前工芸館で鑑賞した
以前工芸館で鑑賞した

さらに残念なのは仕方がないことではあるが、混雑がひどくゆっくり見られなかったこと。

もっと遅い時間に行った方がよかったかもしれないが、展示している作品数が少ないので、多少時間を掛ければ、それなりにひと通り鑑賞はできた。

ときどき鑑賞する常設展(収蔵品展)や、以前あった工芸館などで展示している重要文化財の作品もけっこうあった。

「問題作」が「傑作」になるまで…というコピーにあるように、重要文化財に指定されるまでは、多くの作品で紆余曲折があったようだ。

指定されるまでの経緯が興味深い
指定されるまでの経緯が興味深い

たとえば、今村紫紅《近江八景》は、伝統的な山水画の約束事をことごとく破った作品ということからか、夏目漱石をはじめ他の批評家も批判的だったという。

作品が発表された段階では辛辣な評価があっても、こうして重要文化財に指定されるというのだからおもしろい。

時代によって評価される“基準”や“軸”の変化を感じるとともに、辛辣な評価があるという時点で、実は、もうすでに他の作品とは一線を画しているともいえるのかもしれない。

多くの作品で撮影が可能だったが、すべてが重要文化財の指定を受けるほどのものだから、綺麗に撮影された写真はいくらでもあるわけで、無理して撮ることもないだろう…という感じがした。

興味深い解説もあったが、できる限り多くの作品で誕生した経緯、どのような評価を経て、重要文化財に指定されるに至ったのかについて、もう少し詳しく紹介してもらってもいいかなと思った。

Posted by ろん