7119 都美セレクション グループ展 2023
東京都美術館で開催中の「都美セレクション グループ展 2023」を鑑賞してきた。
「都美セレクション グループ展」は、新しい発想によるアートの作り手の支援を目的として、当館の展示空間だからこそ可能となる表現に挑むグループを募り、その企画を実施するものです。
「都美セレクション グループ展 2023」では、応募の中から厳正な審査を経て選ばれた3グループが展覧会を実施し、絵画、写真、映像等によるさまざまな作品を展示します。
…ということで、比較的若いアーティストのために開催しているようだ。
気になって、来年の募集要項を見てみたら、こんな感じだった。
出品作家3名以上(ユニットの場合は1名とみなす)を含むグループであること、出品作家全員がこれまでに展覧会(グループ展などを含む)を1回以上開催した経験があること、すべての構成員が18歳以上であること、東京都美術館とグループ構成員との間に連絡調整を担う代表者を立て、その代表者を中心に同館担当職員と円滑な連携のもと、グループ全体で責任を持って展覧会の準備から撤去までを遂行できることの4つの条件を満たすグループとなっている。
見事勝ち抜いたのが、今回展示されている3つのグループということになる。
観賞して感じたのは、3つのどのグループの作品にも言えることだったが、”とっつきにくさ”だ。
若手の現代アートで多くが似たような感覚を覚えるのだけど、その作品を見て、どう感じていいかもわからないのだ。
どう感じてもらってもいいのだとは思うが、できることなら、作家の考えを知りたいし、その作品がどういう背景や想いによって生み出されたのか、その作品を前にして知りたい。
そういった意味では、もう少し見る人に寄り添ってほしいと思う。
伝わらないのでは意味がない…とは言わないけど、意味があるとしたら半減くらいはしてしまうんじゃないかとすら思う。
何を感じてもいいのだとは思うが、まったく違ったイメージで捉えられてしまうのは、本意ではないんじゃないかと思うのだけど、作家の皆さんはどう思うのだろう。
もっとも、こうした芸術を見る目がある人にしてみたら、自分のような考え方は、かなり拙いものに感じられるかもしれないけど、考えるのは自由だ。
前述した「もっと寄り添って」という思いを新たにしたのは、今回、作品に対する説明がほとんどなかったなかで、珍しく、何かが書かれていたのだけど、それが異常に小さな文字だったということだ。
自分の場合、手術によって結果的に極端な近視になってしまったことで左目を使って読むことができたが、遠視の右目では見るのがかなりつらかった。
これは、作品を展示するうえで、”仕方のないこと”なのだろうか。
いや、決してそうではないと思う。
作品との出会いも一期一会で、作品をもっと詳しく知れば、もっと興味が出て、さらに面白く見えてくるかもしれない。
そんなチャンスを作れるかどうかは、やっぱり作家の皆さんに掛かっていると思う。
今回は、作品の中身よりも、そうした姿勢について気になってしまった。