7371 南三陸、気仙沼、そして石巻

旅行・見学・イベント

気仙沼で朝を迎えるのは、2016年3月以来2回目だ。

今日まず向かったのは、これまで何度か来ていても、なかなかじっくり過ごすことのできなかった、南三陸さんさん商店街へ。

まず「南三陸311メモリアル」へ
まず「南三陸311メモリアル」へ
展望台から南三陸さんさん商店街が一望
展望台から南三陸さんさん商店街が一望

ここを訪れるまで知らなかったのだが、ここに新たな震災伝承施設「南三陸311メモリアル」が2022年10月オープンしていたということで、まずこちらを見学。

これまでいくつか見学してきた、震災伝承施設と違い、津波によって被害を受けた品々の展示はなく、シアターの上映がメインだ。

当時の状況を知る
当時の状況を知る
自分のこととして考える
自分のこととして考える

そして、シアター上映とともに、ここで見る人に訴えかける内容は、いずれも、震災の経験をいかに自分たちのこととして考えるかということに主眼を置いているところが印象的だった。被害の深刻さを伝えるだけでは、未来に起きるであろう震災から身を守ることはできないのだ。

何回見てもつらい
何回見てもつらい

南三陸の震災遺構のひとつ旧防災庁舎の前では、マスコミの関係者と思われる人たちが多く集まっていた。この遺構を見ると、ここで起きた出来事を思い出して、つらい。

前回は時間がなかったが、今回は少し足を延ばして、近くの震災遺構である「高野会館」(たかのかいかん)に行ってみた。

津波が来たことを示す印が、見上げるほどの高さのところにあって、いかに巨大な津波がここを襲ったかがよくわかる。

津波の高さを実感
津波の高さを実感
震災伝承施設「高野会館」
震災伝承施設「高野会館」
世界に2体しかない眼が入ったモアイ
世界に2体しかない眼が入ったモアイ

さんさん商店街を歩いて、お土産などを買ったあとに向かったのが、モアイ像。チリ地震津波の縁から、1体目のモアイ像が寄贈され、さらに東日本大震災をきっかけに、もう1体のモアイ像が贈られたのだという。

特に目の入ったモアイ像は、イースター島(チリ共和国)以外で世界で唯一らしい。

気仙沼大島へ
気仙沼大島へ

今年の3月11日14時46分は、気仙沼大島で迎えた。黙祷のサイレンが鳴る。

その場に居合わせていた人たちが黙祷する。

今回、もっとも見てみたかったところへ。

東日本大震災当時中学生だった少年が迫りくる津波の様子を撮影し、一昨年YouTubeでその動画が公開された。

その撮影された場所同じところで、3月11日の同じ時間を過ごしてみようと思ったのだ。

すっかり変わっていた
すっかり変わっていた

現地に着いてびっくりしたのは、動画撮影時は海まで美和渡せたが、現在は高い防潮堤が海を隔てていたといたということだった。鳥居は塗装されていて、雰囲気がすっかり変わった。

ほぼ同じ時間に動画を再生して、当時少年が過ごしたのと同じ体験をしてみる。

動画で見るとそれなりに時間がある気がしたが、実際に同じ場所で過ごしてみると、びっくりするくらいあっという間の出来ごとに感じた。

まるで”一瞬”と言っても過言ではないくらいの早さで津波が押し寄せていた。

この動画は何度も見ても、底知れぬ恐ろしさを感じる。

高台から見下ろす風景は一変してしまっていたが、動画にも写っていた当時からあった家が1軒だけそもまま残っていたのは驚きだった。

仕方がないのだろうけど…
仕方がないのだろうけど…
海側から見た防潮堤
海側から見た防潮堤

ここでもう少し様子を感じていたかったが、時間の都合で移動開始。

一気に石巻へ向かう。

今回どうしても見てみたかったところのもうひとつ「海岸線の美術館」へ。

防潮堤活用方法のひとつ
防潮堤活用方法のひとつ

防潮堤を巨大なキャンバスに見立てて、絵を描き、”美術館”とした。防潮堤の大きさを逆手に取ったという感じで、大きいから見応えがある。

背後の山が絵とつながる感じにも見える。

おもしろい取り組みだと思ったが、ただ作品数が少ないために、さっと見て終わりになってしまうのは、ちょっと残念。

継続した取り組みができるようにするにはどうしたらいいのだろう…と考えさせられる。

海岸線の美術館
海岸線の美術館
興味深い取り組み
興味深い取り組み
2年ぶりの大川小学校
2年ぶりの大川小学校

そして、今回の旅の最後の訪問地、大川小学校へ。初回の「竹あかり」に参加しているが、今回は3回目の開催だそうだ。

スケジュールの都合上、17時30分からの点灯式を見るだけしか時間がない。

だから、点灯式冒頭の、自治体の首長の話はできるだけ短めでお願いしたいところだが、それなりに話は長い。

ある程度話をするのは仕方がないにしても、役所の職員に声を掛けてその場で指示するパフォーマンスをしたり、県議会議員や国会議員がこのイベントを頑張って手伝っているといった内容はどうだろう。

あぁ、少なくともこの首長にとっては、震災の日は、自分や仲間をアピールする場に過ぎないのだなぁ…としか思えなかった。

風化はこういうところからも垣間見える気がした。

”考えさせられる”スピーチ
”考えさせられる”スピーチ
今回はここまで
今回はここまで

Posted by ろん