4679 南東北縦断(その5~宮城県南三陸町)
そのせいか、気温は-7度。
ホテルから駅まで歩いてきたときには、その気温の数字のイメージほど寒さは感じられなかった。
気仙沼駅 16:29 発
気仙沼線BRT 普通 志津川行き
昨日乗ってきた、気仙沼線BRTで、元来た道を戻るように乗車する。
昨日は途中から真っ暗になってしまったので、昨日乗っばかりなのに、すごく新鮮な感じがする。
かつて線路だった区間を走る。
大きな踏切だと、鉄道とは逆に、遮断機が専用道路側に降りた状態になっている。誤って進入されないようにするためだ。
BRTが近づくと、信号が赤から青に変わり遮断機が上がって、踏切を通過できる。
かつて線路だった 専用道路の区間は、鉄道が走っていたところだから平坦だしカーブも緩く、対向車もないので、一般道路を走っているときに比べると、乗り心地もいい。
かつて鉄道駅のあった場所に、BRT用の駅(停留所)が設置されたところでは、当時の設備がそのまま残っている状態だった。
遮断機のない踏切もあって、この場合は、一般的な交差点とほとんど変わらない。
車窓から見える風景は、かつての様子を知らないせいか、それとも、復興が進んでいるせいなのか、あまり変わった様子が見られないところも多かった。
沿岸部になると、間違いなく津波の甚大な被害があったのだろうと思わせるところをBRTは走っていた。
かつて気仙沼線だったと思われる高架橋も、おそらく津波で流されたままなのだろう。
その向こうに、新しい道路が建設されようとしていた。
また、あちらこちらで、土地の嵩上げが行われているようだった。、
南三陸町にいられる時間はほとんどないので、急いで、昨日の夜BRTから見た、旧防災庁舎まで小走りで向かった。
周囲は、建物らしい建物が一つもなく、目立つのは嵩上げで積み上げられた土と、重機だけだった。
道路際に不可解な形をした重機が置かれていたが、これは津波で破壊されたものだろう。
かつての志津川駅は、旧防災庁舎からすぐのところにあったようだが、現在はずいぶんと離れたところにある。
テレビなどで何度も見てきたので、ある意味”見慣れた”感じもしていたが、実際に目の前にすると、言葉を失う。
そして、なによりショックを感じたのは、この旧防災庁舎が、うずたかく積み上げられた土の山に埋もれそうな状態であったということだ。
まだ朝の8時を回ったばかりだというのに、何人もの人たちがここを訪れ、建物の前で手を合わせていた。
脇には、昨夜煌々とライトアップしていたライトが置かれたままだった。
風化させないための演出だとは言え、なんとなくモヤモヤした感覚は残った。
志津川駅に戻る途中、誰にも顧みられなくなってしまったような公園を見掛けた。
入口には、「四季の詩 せせらぎ公園」とあった。いずれこのあたりも嵩上げされ、移転することになるだろう。
周囲は本当に何もなくなってしまっている。
かつてはたくさんの家が建っていたそうだが…。
ファミリーマートもプレハブの建物で、仮営業中だった。見た目は仮でも、店内は、いたって普通のコンビニのようだった。
志津川駅のすぐ裏手に、「南三陸さんさん商店街」があったのだけど、さすがに8時台だとお店もやってないようだし、もうBRTも来てしまったので、あまりじっくり見て回ることができなかった。
志津川駅 8:38 発
気仙沼線BRT 普通 気仙沼行き
町の中心の駅ということもあり、小さいながらもユニークな形をした駅舎には、待合室、みどりの窓口、トイレなど、駅の機能としてはひととおりのものが揃っている。
乗車したバスには、すでに何人かの乗客がいて、彼らはしきりに周囲の風景の写真を撮っていた。
バスの車窓から見える、巨大な嵩上げの土…ショックにも似た感覚だった。
〜 南気仙沼着 9:56
気仙沼は、気仙沼駅周辺よりも南気仙沼駅周辺の方が、幹線道路に近いせいか、かなり賑わっている。
ここからレンタカーを借りる。