7356 [公募展]Seed 山種美術館 日本画アワード 2024

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Seed 山種美術館 日本画アワード 2024
Seed 山種美術館 日本画アワード 2024

山種美術館で開催中の公募展「Seed 山種美術館 日本画アワード 2024 ―未来をになう日本画新世代―」を鑑賞。

この賞は、日本画の新たな創造を行う画家の発掘と育成を目指す公募展として、3年に1度山種美術館が主催しているという。

本展は受賞作品を含めた入選作品全45点が紹介されている。

公募展の審査ってどんなふうにやってるのだろう…と思ったら、展示の最初のほうで説明があった。

審査は、エントリーNo、作品名、材質・技法(使用画材)のみ記載されたシートを審査員へ配布して行われたということらしい。

つまり、誰が描いたのか、どういった経歴があるのかといった情報はないので、本当に作品だけで勝負しているわけで、これなら公正だ。

それぞれの作品には、特に解説などがなかったので、どういった理由で受賞したのかについて言及してほしい気もしたが、特に、大賞や優秀賞、特別賞を受賞した作品を見ると、やっぱり他の作品とは違う、リアリティさというか、何か訴えかけてくるものがある気がした。

北川安希子《囁き―つなぎゆく命》
北川安希子《囁き―つなぎゆく命》
全作品写真撮影可能
全作品写真撮影可能

そうなると抽象画となると、ちょっと不利かもしれない。

まぁ自分が観ているときは、これが“受賞作”…と意識して観ているから、そう思えてしまうのかもしれないけど。

作品に加えて、特に印象的だったのが、制作中の下絵などの過程も合わせて紹介されていたこと。

こういう試行錯誤をしてきたのか…とか、下絵ではここまで描き込んでいるんだ…とか、ふつうなら決して紹介されないような内容だったので、とても興味深かった。

今回の展覧会は、収蔵品以外の作品のすべてが撮影可能だったが、この制作過程だけは撮影不可だった。

でも、これはここまで足を運ばなければ見ることができなかったわけで、これだけでも観にきた甲斐があった気がする。