6591 「聖徳太子 日出づる処の天子」展

かつて聖徳太子といえば、1万円札だった。
発行が停止されたのは実に35年前の1986年というから、聖徳太子の1万円札を知らない人も多くなってきたのかもしれない。
サントリー美術館で開催されている、千四百年御聖忌記念特別展「聖徳太子 日出づる処の天子」を鑑賞した。
自分の知っている聖徳太子は、まさにお札の姿だが、ここで展示されている姿は、全然違った。
しかしここにある姿で共通しているのは、子供のころから、とてもキリッと聡明な顔立ちをしているということだった。
そりゃそうだ。彼は、わずか2歳にして手を合わせ「南無仏」と唱えたというのだ。
だから、2歳の時の像が多く作られている。

冠位十二階の制定、十七条憲法の発布、「日出づる処の天子」と名乗った国書を持たせた遣隋使を派遣するなど、まさに超人的な活躍をすることになる。
こうした活躍は教科書にも載っていたのでなんとなく覚えているが、こうした政治活動とは別に、仏教においても、かなり重要な役割を果たしていたということを初めて知る。
だからこそ、これほどまでにたくさんの像や、彼の誕生から亡くなるまでの掛け軸?など作られるなど、時代を超えて大人気だったのだ。
今年は、聖徳太子(574~622)の1,400年遠忌にあたる記念すべき年のようだが、お札から消えて35年、最近では教科書での扱いも小さくなっているということで、聖徳太子の将来が気になるところだ。
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