3845 写真展「東京都東村山市青葉町4丁目 多磨全生園」

博物館・展覧会

以前見たドラマがきっかけもあって、ハンセン病やその歴史に興味を持つようになった。

だからといって何をするわけではなかったが、先日、駅のポスターに、国立ハンセン病療養所「多磨全生園」の写真展が開かれるということを知った。

場所は東京都庁。平日は19時までということだったので、会社から急いで向かった。

 

都庁なので、地下鉄大江戸線都庁前駅からすぐなのだけど、会場の入口がわからず、かなりの時間、ウロウロしてしまった。あまり時間がないのに…。

ようやく入口を見つけ、会場へ。

「多磨全生園」の入所者で、40年にわたってハンセン病関連の資料収集をしてきた、山下道輔さんを記録した写真展だった。

全国から、 ハンセン病に関する資料を収集し、修復や保存を行ってきた山下さんの使ってきた道具なども展示されていた。

ハンセン病は、感染力の極めて弱い細菌による感染症だ。

原因が特定され、特効薬が登場してもなお、日本では患者の隔離政策が続けられたため、差別が助長される結果となった。

病状が回復しても、療養所から出ることは事実上不可能だったという。

隔離政策を定めた、「らい予防法」が廃止されたのは、わずか十数年前の1996年だった。

展示されていた何でもない写真にも、隔離や差別を彷彿とさせるものもあり、考えさせられた。

療養所を取り囲んでいたのは、葉にトゲのある柊(ヒイラギ)で高さは3mにも達したという。

入所者らが5000円を出し合い、ツバキやサザンカの苗を植える「一人一木」運動も行われ、希望すれば氏名を付けることができたが「匿名」とした人が多かったという。

会場の係の方といろいろお話しさせてもらい、会場風景や展示物をブログで紹介することを許可していただいた。

写真は比較的最近のもので、かつての過酷な生活や差別といった“陰の部分”は抑えめ。

今回の鑑賞で、ハンセン病や療養所のことを、もうちょっと詳しく知りたくなってきた。

 

Posted by ろん