7296 ミステリーきっぷの復路8時間半
あっという間に滞在時間30分を終えて、神津島を出発。帰りは、昨日からこれまで辿ってきた同じ航路を戻っていくだけだ。
こちらに向かって手を振るのが見えた。
家族か知人へ手を振っているのかな…と思ったら、警察官も一緒に手を振ってくれていた。
たったこれだけのことでも、なんだか嬉しくなるから不思議。
上陸時、あまりじっくり見られなかったが、海に向かってかなり大規模に山崩れが起きている感じ。
さらにこの山全体に木が生えていないところを見ると、今日がたまたま穏やかなだけで、ふだんの自然環境はかなり厳しいんじゃないかと思わせる。
朝から、ほとんど何も食べてないので、船内のレストランに向かったが、相変わらず混雑していた。島に着くたびに行列が長くなる感じだったから、頃合いを見計らって、少し時間を置いて、あらためて行列に並ぶ。
あらかじめ食券を買うシステムだけど、あまり伊豆諸島を意識したメニューではないのが、ちょっと意外な気もした。
地元の人が利用することが多いせいか、観光客は船ではなく上陸後に堪能してもらいたい配慮か?
なんとなく地元産の食材が入っていそうな、島海苔ラーメンを注文。
ただ、なかなか出てこなかった。
こちらはそれほど急いでいるわけではないので、じっと待つだけだが、行列が続いているのだから、もうちょっと早めに料理が出てきてもいい気がする。
船内レストランの入口に、ミステリーきっぷを利用した人たちが、どこに行ったかなどを、付箋に貼って報告しあえるようになっていたが、さすがに、神津島ではネタがない。
もっとも、ネタがないところがネタなのかもしれない。
さっき寄ったばかりの、島に寄港しながら、竹芝に向かう。これまでは下船一方だったが、東京に向かう便は乗り込む一方か…と思ったら、意外とそうでもない。
神津島から乗って式根島で降りたり、神津島や式根島から新島に降りたりする人もいて、島と島のあいだで人の行き来もあるんだと再認識した。
それにしても、特徴的な島の形が続く。
そして、その先…遠くに特徴的な形の山がうっすら見えてきた。
大室山とさらに遠くに富士山だ。
利島といい、富士山のほうまでずっと成層火山が続いているのを見ると、いかにこのふきんがで火山が多いかを実感する。
それぞれの島に着くたびに、その様子を見るのは、とても楽しい。
何かしら気になることがいろいろある。
少し横になっていたら、あっという間に日の入り。今日は海の上で日の出を見て、海の上で日の入りを見るという、これまでにない1日となった。
浦賀水道は行き交う船が多いために、最高速度が制限されているという放送があった。竹芝まで妙に時間が掛かるのはそういう理由だったのか。
あきらかにゆっくりと進んでいる感じがする。
ビルとビルのあいだに、ものすごく明るい光が見えた。2、3日前に満月だった月だ…こんなにも大きく見えるのか。
取り壊しの決まった、船の科学館などを見ながら、レインボーブリッジをくぐり、ようやく竹芝に到着。
ボーディングブリッジを通って、無事上陸。
振り返ればかなり慌ただしく、わずか21時間半しかない旅行ではあったが、いかにも、ミステリーきっぷらしい旅行ができたと思う。
伊豆諸島や島々を結ぶ船の様子など、あらためていろいろと、得られることも多くとても楽しかった。
世界貿易センタービルの建て替え工事現場の前にも、お正月飾りが…もう今年も終わり。
あらためて、あっという間の2023年だったなぁ…と思った。