3914 洞爺とニセコを巡った遅めの夏休み(2日目)
旅行2日目。
行程の都合上、行く時間があまり取れなさそうだったので、早朝ひとりで、西山山麓火口散策路を見に行ってきた。
2000年(平成12年)の有珠山噴火で開いた火口や隆起した旧国道などの被災状況が当時のまま保存されて、自由に散策できるよう整備されている。今年4月から一般開放されたばかり。


道路がずたずたに引き裂かされ、あり得ない場所に道路標識が目に止まると、かなり不思議な感覚になる。
住民生活の間近で起こった自然災害の脅威を直に感じることができるよう遺構として保存されているとのことだが、噴火から13年も経つと、草木に覆われて、ちょっとわかりにくくなってしまっているところもあった。


見えないところから、白い噴煙が上がっているところもあり、いまでも火山活動が続いているということを強く印象づけられた。
続いて、金比羅火口災害遺構散策路に向かう。
こちらにも、当時噴火の被害を受けた建物が遺されている。


町営温泉「やすらぎの家」は、噴火の1年ほど前にリニューアルされたばかりだったらしく、かなり気の毒。
かろうじて、かつての入口だったところはわかるが、下半分は泥に埋まっているし、中はめちゃめちゃになっている。


なぜこんなところに橋があるだろう?と思ったら、これは百数十メートル上流にあった橋が、火山噴出物と高温の水分の混じり合った“熱泥流”によって流されてきたらしい。
このときの熱泥流で、上流にあった団地や町営温泉が破壊されたそうだ。
団地は遠くから見ると、ごく普通の廃墟?に見えるが、近づいてみると酷い状態になっているのがわかる。
前述の流されてきた橋が衝突した場所も生々しく残っていた。


住民は事前に避難していたため無事だったが、1階部分は泥で埋まり、避難命令が解除されたあとも、家財道具も取り出せなかったという。

ホテルをあとにして、洞爺湖の中心に浮かぶ島へ、船で向かう。
30分おきに出航するが、かなりのんびりと進むため、片道50分もの時間を要する。鳥たちも慣れたものだ。

いくつか浮かぶ島を総称して、中島と呼ぶらしい。

出入口にはゲートがある。時間内は自由に出入りできるようだが、島内に生息するエゾシカが逃げないようにするため…だろうか?
次の出航までに戻るつもりだったので、島の滞在時間はわずか30分。すぐにもと来た道を折り返してきた。
網の外から餌をもらいに、入口近くにエゾシカが集まっていたので、鹿を間近に見てみようと向かっていったら…

餌を持っていないをわかるやいなや、すべてのエゾシカが、こちらに背(お尻)を向けて向こうに行ってしまったのだ。
Oh…
ちょっと寂しい気持ちになりながら、島を後にして、桟橋から歩いてすぐの、洞爺湖ビジターセンターへ。
ビジターセンターのすぐ後ろが、今朝歩いた金比羅火口災害遺構散策路なのだが、奥の噴火口までは行っていなかったので、お昼まで時間があったので、行ってみることにした。

おおむね歩きやすく、途中、かつて国道だったというアスファルトの道を進み、山道を上がっていくと…

エメラルドグリーンの噴火口に出くわす。
直径200mで、深さは約10mほどあるそうだ。2000年に噴火したときの最大の火口という。
そろそろお昼。
せっかく食べるのなら、地元の食材を生かしたものを…ということで、「とうやMarche(マルシェ)」へ。
とうや湖あか毛和牛100%、地元タマネギ使用した「あか丼」700円をいただく。美味しくないわけがない。

見どころも多かった、洞爺湖に別れを告げる。
あともうちょっとで、ニセコに着くというところで、あらかじめ調べておいた「ダチョウ牧場」に寄ってみた。
100円で餌が買えるだけで、特に、観光客向けに施設があるわけではないので、ただダチョウと語らうことくらいしかできない。


なんとか難を逃れ?ニセコへ。行政区域で言えば、倶知安町だけど、半月湖に向かう。

半月湖に向かう山道には、あちこちにきのこがはえていて、見るだけで楽しい。

なぜか、おじゃこが探すのが上手く、さまざまなきのこを見つける。
どんなきのこか?とか、食べられるのか?毒があるのか?といったことは、実は、ちっともわからないが、きのこらしいきのこを見つけると、何だか楽しくなってくる。
逆に、ちっとも、きのこらしくないきのこを見つけても楽しいのだけど。興味は尽きない。

半月湖は、羊蹄山北西山麓、海抜約 270m にある平均水深 4m、最深部 18.2m 程の火口湖…ということで、噴火口らしい。

来た道を戻り、今日泊まる宿に向かう。
つづく