7236 考える人

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小企画展「もうひとつの19世紀」
小企画展「もうひとつの19世紀」

今日は、国立西洋美術館の常設展へ。

常設展は”フリーパス”ということもあって、ちょっと前も行ったこともあったから、今回はざっと観ていく感じになった。

ただ、小企画展「もうひとつの19世紀―ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち」については、初めてなので、少しじっくり鑑賞。

自分にとっては、解説がちょっと難解だったが、商業的…つまり市場での取引を目的に制作されたという作品が何点か紹介されていたが、ウケるモチーフというのが、意外と昔も今も変わらないものなのかな…なんて思った。

ウィリアム・アドルフ・ブーグロー《小川のほとり》
ウィリアム・アドルフ・ブーグロー《小川のほとり》
ウィリアム・アドルフ・ブーグロー《少女》
ウィリアム・アドルフ・ブーグロー《少女》
館内にあった「考える人」
館内にあった「考える人」

そして・・・今日、あらためて気になったのが、あまりに有名なロダンの「考える人」。こちらはいつでも見られる常設展示されている作品だが、同じ「考える人」は、屋外の前庭にも1体ある。

これらはいったいどういう関係があるのだろう。

https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023painters.html

 

拡大作?
拡大作?

たしか、ここ以外にも複数の美術館にも「考える人」の像はあったはずで、いったいいくつあるのか?とか、どれが本物で、どれがレプリカなのか?とか気になった。型から起こして鋳造しちゃえば、いくらでも?”同一”作品を作ることができるのだから、2体の「考える人」のうち、もしかすると、前庭にあるほうがレプリカ?なんて思ってしまった。

実際、ほうには「拡大作」なんて書かれていたし…。

…と思ったら、それはどうやら違うようだ。

こちらの記事によれば、フランスの法律によって決まっているらしい。

一つの原型から鋳造されたブロンズ像は
12体目までが「本物(オリジナル)」
13体目以降に鋳造されたものは「複製(レプリカ)」と決められていて、
国立西洋美術館の前庭で見られる彫刻は、
フランス政府の許可を得て鋳造された12体の「オリジナル」の1体。
間違いなく「本物」です。

…ということだった。

ただ、屋内にあるほうの考える人については触れられていないので、こちらはどうなんだろう…と思ってしまうが、国立西洋美術館のサイトでの紹介にも、特に触れられていないので、”本物”だろう。

世界中に21体しかないと言われている「考える人」のうち2体が、国立西洋美術館にあることになるが、それについて言及したサイトは見つからなかった。

こちらはエッセーなので正確かどうかはわからないが、こんな記述もある。

現在世界中にロダンの「考える人」は21体あり、そのうち4体が我が国にあるそうです。上野、静岡、名古屋、そしてもう一体が京都国立博物館にあります。

ここでも、上野に2体あるという記述はない。

前庭にある「考える人」
前庭にある「考える人」

いろいろ調べていたら、アーディソン美術館にも、本物らしき「考える人」の像があるようだ。

もう何が何だか…。

Posted by ろん