6846 企画展「美をつくし―大阪市立美術館コレクション」

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美をつくし―大阪市立美術館コレクション
美をつくし―大阪市立美術館コレクション

サントリー美術館で開催中の企画展「美をつくし―大阪市立美術館コレクション」を鑑賞。

大阪市立美術館は大規模改装工事中ということで、今回こうして東京で大阪市立美術館のコレクションを鑑賞することができる。

大阪市立美術館は、関西の財界人によるコレクションをまとめて収蔵するという特徴があるために、日本・中国の絵画や書蹟、彫刻、工芸など、時代も紀元前から近代まで多岐にわたるそうだ。

どんな作品に出会えるのだろう…と思いつつ鑑賞。

わずかではあるが、一部の作品は写真撮影可能で、なかなか興味深い作品も多かった。

銅像 誕生仏立像
銅像 誕生仏立像
猫図
猫図

 

残念ながら撮影できなかった作品については、タイトルをメモしておいて、それが紹介されているサイトを後から検索した。 

烏梟図屏風 長谷川等伯 江戸時代1607年(慶長12年)(参考
2羽のカラスがフクロウにまるでケンカを売ってる感じの表情がいい。このわずか瞬間を屏風にしようと思ったきっかけというか、作者の考えはいったいどういうところにあったのだろうか。

豊臣秀吉像 惟杏永哲賛 桃山時代1600年(慶長5年)(参考
教科書か何かで見たことがある。豊臣秀吉といえばこの絵ではないだろか。とても久しぶりに見た気がして、どこか懐かしさを覚えた。独特の表情は、やはり“猿”を思わせる。本当に似てたのだろうか。

新蔵人物語絵巻 後柏原院卿内侍(伝) 室町時代・16世紀(参考
少女が「男になって走ったり歩いたりしたい!」と男装して出仕して帝の寵愛を受ける…という、漫画のように吹き出しなどもあり、まるで同人誌のような内容は、現代に通じるものがあっておもしろい。

雪中行旅図襖 上田公長 江戸時代・19世紀
雪のなか、何人もの旅人が峠を越える場面を描いた襖絵。解説にもあったが、冬景色ではあるものの、たしかに、決してただ寒々しいものではないところがいい感じだった。この作品の写真は見つけられなかった。

小袖屏風虫干図巻 勝部如春斎 江戸時代・18世紀(参考
屏風を虫干ししている風景…こういう場面はちょっと珍しい。牡丹や鳥、中国風のものまで、さまざまな種類の屏風が並ぶから、当然全然違うタイプの屏風を描くことになって、作者の力量が試されてる感じ。

「星」
「星」

星 北野恒富 1939年(昭和14年)(参考
女性が星を見つめている。女性自身も輝くように描かれていて、まるで映画化ドラマのワンシーンのようで美しい。どういった思いで星を見ているのだろう…と考えてみたくなる。

宵宮の雨 北野恒富 1928年(昭和3年)(参考
着物姿の3人の後ろ姿が描かれ、家のなかから雨の降る外を眺めている。宵宮ということはお祭りの前夜祭ということで、いつ止むんだろう…とまるでせっかくの連休なのに雨に降られたいまの状況を描いているよう。

橋姫蒔絵硯箱 江戸時代・18~19世紀(参考
先日根津美術館で観たの同じ仕掛けのある硯箱を発見。硯箱の蓋に仕掛けを施し、蓋を傾けると水車が回るというもの。今回展示されていた作品は水車の部分がよく見えたが、実際に回る様子をぜひ観てみたい。

雪持笹蒔絵櫛 銘「梶川/{榮)」 江戸時代・19世紀
残念ながらこの作品を写した写真はないのだけど、たくさんの竹が彫り込まれているこの櫛は、とても小さいのにまるで奥行きがあるような感じがして、ちょっと気になった。

他に、写真撮影可能な作品で気になったのもいろいろあるが…

青銅鍍金銀 仙人
青銅鍍金銀 仙人

 

まるで、宇宙人みたいな表情だったり…

愛嬌たっぷりの根付だったり…
獅子舞牙彫根付
獅子舞牙彫根付
達磨牙彫根付
達磨牙彫根付
蛇が飲み込んだカエルが裏に隠れてたり、現代にも通じる鼠の姿だったり…
三竦み牙彫根付
三竦み牙彫根付
鼠形彫根付
鼠形彫根付
見どころの多く楽しめた企画展だった。

Posted by ろん