7235 パナソニック汐留美術館「コスチュームジュエリー」展
パナソニック汐留美術館で開催中の「コスチュームジュエリー展」を鑑賞。もちろん?、コスチュームジュエリーなんてまったく意識したことなんてなかった存在だから、言葉も意識したのも初めてだ。
「コスチュームジュエリー」とは、宝石や貴金属などの高価な素材を使わないで衣装との相性を重視して作られた装飾品のことらしい。
素材にこだわらなくて良いぶん、さまざまな作品が生まれ、流行が反映しやすい一方、廃れて無くなってしまうことも多いようだ。
それだけに、かえって貴重とも言えるかもしれない。シャネルの創始者ガブリエル・シャネル、クリスチャン・ディオールといったブランドの作品もあった。
特にアメリカでは、ヨーロッパと異なり王侯貴族がによる宝飾品の文化が存在しないため、コスチュームジュエリーがあっという間に広まったという。
枯れ葉をはじめ、草花、昆虫、貝殻、ロブスターのような、リアルなモノに似せた作品も多い。
1968年に作られたチョーカー 「花火」は、タイトル通り、かなり大胆な“花火”そのものだ。
他にもネックレスやペンダントだけで、その世界を表現しようとしているのではないかと思うような作品も多数あった。
コスチュームジュエリーの世界は“自由”なのだ。
1946年頃に作られたとされるブローチ「もし世界中のすべての男たちが」や、1952-1955年頃に作られたとされるコンパクト「怠惰はすべて悪徳の母」といった、ちょっと変わった名前の作品も気になった。
特にタイトルがなかったが、1950年代に作られたネックレスの色使いが、かつて流行した“ビーズカーテン”や“ビーズのれん”を思わせた。
イタリアの作品なのに、どこか“昭和レトロ”感があった。
写真撮影が許されていたのは、最後のコーナーだけなのはちょっと残念だったが、想像以上にコスチュームジュエリーの世界を楽しめた気がした。