7202 企画展「版画家たちの世界旅行」

今日まで開催中の企画収蔵品展「版画家たちの世界旅行 -古代エジプトから近未来都市まで」を鑑賞。
「旅」から受けたインスピレーションを、版画家たちは、どのように作品にしてきたか…がテーマだ。
「旅」が版画でどのように表現されたきたのか…切り口としてはとてもおもしろそうに感じた。
はたして、どんな展示になるのだろう…と思ったが、正直いまひとつに感じてしまった。
というのも、これは致し方ないのかもしれないが、“世界旅行”とはいうものの、実際には、イタリア、エジプト、フランス、アメリカ、日本と限られていて、ちょっと変化に乏しいな…と感じてしまったこと。
そして、いくつかの作品には解説があったが、制作された時代背景もわからないことが多かったため、どのように作品を解釈してよいか悩んでしまうこともあった。
自分の不勉強な部分もあるにせよ、全体的に、もう少し作品の見方をサポートしてくれるような解説があったらよかった気がした。
いくつかの作品では、撮影可となっていたが、撮影が許されていなかったが、気になった作品があった。
フィリップ・モーリッツ《イグアナの到着》というもので、彼の作品は、草木に覆われて廃墟と化した町や神殿、帆船、ロボットなどを題材にした幻想世界は国内外で高く評価されたという。
そんな彼が生み出した、自然のなかに巨大なイグアナがぬっと飛び出すというの、摩訶不思議な構図だ。
いったいどういう意図があったのか、モーリッツ本人から聞いてみたいものだ。
写真撮影可能な作品で、あとから気づいたのが、ジョルジュ・ピゴーの作品。
こちらの解説には、「日清戦争や日露戦争をテーマとする風刺画の作者として知られる画家、挿絵画家です」とあって、もしかして…と思って、あとで検索してみたら、教科書にも載っていた、あの風刺画の作者だった。
こういうネタも一緒に紹介してもらえたら、もうちょっと楽しめそうな気がした。