7146 企画展「フィンランド・グラスアート」
東京都庭園美術館で開催中の「フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン」に行ってきた。
サマーナイトミュージアムということで、通常開館時間以降ゆっくりと、延長開館のうえ、さらに団体料金で見学できるというお得感ある企画だ。
いまくらいの日の入りは19時ちょっと前。
庭園美術館の建物までの道のりをゆっくりと歩く。
賑やかなセミの鳴き声に混じって、カナカナカナ…と、ヒグラシの鳴き声も聞こえてきた。
日が落ちてきてはいるものの、まだまだ空気は蒸し暑い。
けれど、このヒグラシの鳴き声は、なんと涼しげだろうか。
今回の企画展は、映像以外はほぼ撮影可能なのは嬉しい。
お客さんが多いかなと思ったが、この時間はそれほどでもなく、比較的ゆっくりと鑑賞できそうだった。
上映中の動画以外は、”ほぼ”撮影可能なのだけど、唯一明確に禁止されていたのが、上から木型を撮影することだった。この形などに、かなりのノウハウがあるのかもしれない。
フィンランドデザインは、朴訥でありつつ、しっかりと主張しているというイメージがある。
素朴で朴訥なところがありながら、表現したいところは妥協しない…といった感じ。
だからシンプルでも,大きな存在感があるのかもしれない。
展示場所が、アールデコの意匠が特徴の旧朝香宮邸ということで、作品がとても映えて見える気がする。
展示の中盤くらいから、色の入った作品が増え始めたが、どれも柔らかな色合いばかりだ。
ふと、見上げると、ステンドグラスを用いた照明が…。
図らずも、展示に合ってる。
《東京》と名付けられた作品があったが、解説によると…
《東京》 と いうタイトルから、日本と何らかの繋がりを暗示させるが、 今のところ関係性が判明していない。
と書かれていて、見る人の想像力が試される気がした。
日が落ちて、夜へと向かう市松模様のような南面ベランダは、とても落ち着いた時間が流れているようだった。
本館の展示を鑑賞して、ふたたび1階に降りて、隣の新館に向かう。外の渡り廊下を歩くと、だいぶ薄暗くなった空と木々の上に、半月より少し膨らんだ月がよく見えた。
都心というより、ちょっとしたリゾート風な雰囲気。
大きく3つの章に分かれテーマごとに展示されていたが、新館の第3章は現代の作品が紹介されている。
前半と比べると、かなりデザイン性が強まっていく感じだった。
それでも、フィンランドデザインの伝統なのか、派手さはないけど惹き付けられる存在感を持つ作品が多い。