7125 企画展「植物と歩く」

博物館・展覧会,芸術・デザイン

練馬区立美術館で開催中の企画展「植物と歩く」を鑑賞。

練馬区立美術館へ
練馬区立美術館へ
企画展「植物と歩く」
企画展「植物と歩く」
ほとんどが、練馬区立美術館の収蔵品でありながら、最近にしては珍しく、全作品が撮影不可で、撮影可能なコーナーも設けられていなかった。

単眼鏡で作品を観ているだけで「撮影禁止です!」とすぐに注意してくるくらい、神経を尖らせている感じがした。

前述の通り、収蔵品がほとんどなので、洋画、日本画、ガラス絵、版画、彫刻、和本、植物標本…と、ジャンルは多岐にわたる。

残念ながら撮影不可
残念ながら撮影不可

植物は、美術にとってもっとも身近モチーフのひとつだろう。

どんなインスピレーションから制作に至ったのか…なんて考えながら、作品を鑑賞していった。

その中でも気になったのは3つの作品。

東日本大震災の津波浸水域に繁茂した植物たちを「ツナミプランツ」と名付け描き続けてきた倉科光子の作品のうち5点が展示されていた。津波によって運ばれた植物を丹念に描いている。タイトルは、その植物のあった緯度と経度を示している。何が描かれているのかを知ることで、様々なメッセージが伝わってくるような気がした。

展示室のところどころに、まるで本当にそこに育っているかのような、とてもリアルな須田悦弘の木彫もよかった。
作品名や作家の名前のあるプレートがないと見落としてしまいそうな場所に展示されていて、それを見つけると、鑑賞というより実際の植物の観察している気分になってくる。

水芭蕉に魅せられて、30年以上にわたって連作を続けたという佐藤多持の作品は、最初は水芭蕉らしい部分があったのに、時間が経つにつれて、もう水芭蕉とは似ても似つかない状態になってしまっていたのがおもしろかった。

Posted by ろん