6260 「美を結ぶ。美をひらく。」展
東京ミッドタウンにある、サントリー美術館で開催中の企画展「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」を鑑賞。
サントリー美術館の収蔵品を、6つのテーマに分けて紹介する。
Story1: ヨーロッパも魅了された古伊万里
Story2: 将軍家への献上で研ぎ澄まされた鍋島
Story3: 東アジア文化が溶け込んだ琉球の紅型
Story4: 西洋への憧れが生んだ和ガラス
Story5: 東西文化が結びついた江戸・明治の浮世絵
Story6: 異文化を独自の表現に昇華したガレ
収蔵品の展示ということからか、すべての作品が撮影可能。
それはそれでありがたいのだけど、シャッター音がうるさい。
もういい加減この”自主規制”はなんとかならないものだろうか?
Story1と2は、ヨーロッパに多大な影響を与えたという古伊万里焼と鍋島焼の紹介。
よくぞここまでと思うほど、気の遠くなるような技巧に目を奪われる。
こうしたデザインというのは、どのようの研ぎ澄まされていったのだろう…と思う。
海外から具体的な注文みたいなのがくるのか、評判はどんな感じで伝わってきたのだろう…。
Story3は、沖縄(琉球)を代表する伝統的な染色技法のひとつ“紅型”(びんがた)の紹介。
いかにも南国らしく、これぞ沖縄って感じの大胆な色使いやデザインに気を取られてしまうが、よく見れば、これまたかなり繊細であることがわかる。
Story4は、和ガラスの紹介。
“江戸切子”なんてのもあるくらいだから、江戸時代からガラス細工はあったことは知ってるつもりだったが、江戸時代にも、こういった現代でも“実用”になりそうな、透明なガラス製品が作られていたのは、ちょっと新鮮な驚きだった。
ヨーロッパで作られたと言われてもわからない…と思ったら、ヨーロッパから輸入されたものを模倣したものらしい。
Story5は浮世絵。こちらもヨーロッパに影響を及ぼした日本が誇る芸術だ。
この展示では、江戸時代の浮世絵と本格的な西洋美術が融合し、近代の版画となっていく変化が感じられる展示だった。
Story6は、エミール・ガレの作品紹介。“ガレ”ひとりだけでひとつのストーリーができてしまうほど、収蔵作品が充実しているのだろう。
日本贔屓であった彼の作品が、多くの日本人にも親近感を覚えるのは当然かもしれない。
ジャンルを6つに分かれているためか、ちょっとまとまりがない感じもしたが、逆にいろいろ楽しめた感もあって、楽しい時間を過ごすことができた。