7094 足元の髑髏

今日は、上野にある国立近代西洋美術館へ。
東京国立近代美術館の賛助会員は、東京国立近代美術館だけでなく、国立近代西洋美術館の常設展も何度でも鑑賞できてとてもお得。
今日はいろいろあって出発が遅れたので、実際に観賞し始めたのは、17時を回ってからのことだった。
ただ金曜日と土曜日は20時まで開館しているので、慌ただしく鑑賞しなければならないことがないのはありがたい。
常設展(収蔵品展)ということで、特別際立った作品があるわけではなかったが、今回、急に気になったのことがあった。

最初は特に気にしていなかったのだけど、ずっと観ていくと、あることに気が付いた。
磔になったキリストの足元には、置き方とか置かれてる骨の種類?は違うけど、必ず人間の骨が描かれているのだ。
磔になった場所は、刑場なのだから、骨が落ちていても当然とも思ったが、それにしても、わざわざ描かないといけないほどの意味があるかというとどうだろう…と思ってしまった。
きっと、強い意志を持って描いている意味があるはずだ。
これはいったいなんだろう?


きっと意味があるはずだ。

ということで、観賞しながら、いろいろ検索してみると、どうやら、キリストの足元に髑髏を置くことに意味があるらしい。足元にあることによって、死に対するキリストの勝利を示しているという。
そして処刑された場所の名前ゴルゴタは「髑髏」の意味があり、ここは、あの?アダムが埋葬された場所でもあり、アダムの犯した罪に対してキリストが勝利したという意味もあるとのこと。
なるほど、ただの髑髏ではなかったのだ。


なかなか興味深い気付きだった。
前回国立西洋美術館に来たときは、INRIが気になったが、こうして来るたびに、いろいろ発見ができるのも、気軽に常設展を鑑賞できるからだろう。
参考
ヤコポ・デル・セッライオ《奉納祭壇画:聖三位一体、聖母マリア、聖ヨハネと寄進者》
ヨース・ファン・クレーヴ《三連祭壇画:キリスト磔刑》
エル・グレコ《十字架のキリスト》