2938 吉祥寺美術館

博物館・展覧会,芸術・デザイン

吉祥寺美術館公式サイトに行ってきた。

吉祥寺には何度か来てるが、美術館に行くのは初めてだ。

企画展常設展あわせて、入館料は100円とかなりリーズナブル。もっともぐるっとパス利用なので、ありがたみは感じないけど、気軽に見学できるというのは、いい試みだ。

企画展は、棟方志功展。ここ武蔵野市の姉妹都市の南砺市は、棟方志功が疎開して住んでいたところで記念館がある。その縁で、こうした企画展が開催されたようだ。

棟方志功は、版画家(本人は、“板画”と称した)ということは知っていたものの、きちんと作品を見たの初めてかもしれない。

独特な作風は、見覚えのある感じがする。彼の版画には、淡い部分がほとんど無く、黒色がとても力強いイメージ。メッセージ性の強い作品が多いのだけど、いまいち理解が追いついていかなかった。もちろん、これは好みの問題もあるのかもしれないけど、“わかりにくい”というのが正直な感想。

吉祥寺美術館には、企画展のスペースの他に2つの部屋がある。浜口陽三記念室と、萩原英雄記念室だ。こちらは、写真撮影不可との表示があったので、写真は無し。

まず、浜口陽三記念室を見学。カラーメゾチントという独特な銅版画の技法を使った作品で、世界的に知られる人らしい。詳しいことは割愛するが、気の遠くなるような手間を掛けて作られた作品は、繊細で版画のイメージを一変させてしまう。道具や制作過程なども紹介されていて、わかりやすかった。

萩原英雄記念室も、彼の版画を展示している。彼の作品もまた、従来の版画とは違う方法を編み出すため、かなりの試行錯誤を繰り返したようだ。銅版画の技術を応用し、木版画なのに凹版で作られたという作品は、浜口陽三の作品でも感じたが、こちらの作品でも「これが本当に版画?」と思ってしまった。

美術館はビルの7階にあって、下に降りる階段があったものの、閉鎖されていた。

理由は、閉店した伊勢丹吉祥寺店だったからだ。百貨店が次々と消えていく現実は、時代の大きなうねりを感じずにはいられない。

芸術作品の普遍的な価値と比べると、なんと軽いことか…なんて。

Posted by ろん