4652 キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン展

博物館・展覧会,芸術・デザイン

唯一写真撮影可能な場所から…18世紀半ばに開園したキュー王立植物園(イギリス)は、最先端の植物学の研究機関であり、また22万点のボタニカル・アート(植物画)を収集する世界有数の植物園。

ボタニカル・アート好きのおじゃこについて行く感じで、いま、パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々」展を鑑賞しに出掛けた。

キュー王立植物園というと、ちょうど一年前に、Bunkamuraで開催されていた「キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展を思い出す。

キャプテン・クックの船に同乗していたのが、ジョセフ・バンクスであり、彼がキュー王立植物園の顧問となって、世界屈指の植物園に育て上げたという。

バンクスの死後、一時低迷していた植物園を復興させたのが、園長に就任した、ウィリアム・フッカーで、植物園を、「教育」と「娯楽」という機能を持たせた。

キャプテン・クック同様、探検の旅に出かけたイギリス帆船ビーグル号に乗り込んだのは、チャールズ・ダーウィン。

そして、彼の生涯の友だったのが、ウィリアム・フッカーの息子、ジョセフ・フッカーだった。

ダーウィンは、言うまでもなく「種の起源」を著したその人で、父の跡を継ぎ、植物園の園長となったジョセフ・フッカーの存在は、ダーウィンに大きな影響を与えたはずだ。

デジタルカメラが普及して、いくらでも写真が撮れる時代になっても、現在でも植物画が集められているのは、ちょっと不思議な感じもしたが、これは、正確な図や絵画は、むしろカメラよりも多くを説明することができるからなのだという。

植物画家の主な役割は、植物の構造をわかりやすく示すことであり、意識して編集して描くことで、将来の研究に寄与するようだ。

展示のなかには、数年前にやはりBunkamuraで鑑賞した「ルドゥーテ」や、去年5月に鑑賞しに行った、きのこに魅せられ、きのこのボタニカル・アートを描いて、キュー植物園に収められたという小林路子の作品(アミガサダケ)なども展示されていて、これまでの展覧会と密接に関わることの多い、展示だった。

ちなみに・・・この、パナソニック汐留ミュージアムは、写真撮影が極めて厳しく制限されていて、館内はもちろん、会場入口を含めて、一切写真撮影が認められていない。

そのため、写真は冒頭の1枚のみ・・・。

Posted by ろん