7317 深谷市自動運転バス試乗会
昨年、何かのサイトで見た埼玉県深谷市が主催する自動運転バスの実証実験運行を兼ねた試乗会に申し込んでいた。
これは抽選ということだったということもあって、応募したこと自体、すっかり忘れていたのだけど、数日ほど前に突然思い出して確認したら、当選していた。
月曜日にも、深谷市の担当の方から参加の意思確認の電話もあった。
申し込んでいた日が、19日金曜日という平日だったので、会社は午前中休みにして深谷に向かう。
熊谷の隣の籠原で列車の切り離しを見て、その隣駅が深谷だ。
深谷駅は初めての下車だ。
東京駅を模した駅舎は煉瓦推しの象徴だし、駅前は一万円札の肖像に選ばれた渋沢栄一推し、そして名産の深谷ねぎ推しの象徴は、ゆるキャラの”ふっかちゃん”だ。
全体的にテンション高めのような感じ。
試乗会出発の会場となる渋沢栄一記念館は、駅からなかなり離れていて、試乗会参加者は事前に申し込めば、会場までの送迎をしてもらえる。
送迎のバスに乗ったのは、なんと自分ひとりだった。
もしかして参加者はほとんどいない??…と思ったが、会場に着くと、おそらく直接来た地元の人たちがたくさんいた。
試乗会1回の定員が18名だったので、定員いっぱいなのだろう。
事前に、今回運転されるバスの仕組みについて簡単な説明があった。
すぐに外に出て、バスを前にして説明を聞く。通常のディーゼルバスを改造しているという。
パッと見た目は、前面上部のカメラを除けば、それほど特別な感じはしないが、よく見るといろいろな機器が取り付けられている。
うろ覚えだが、10台のカメラが前後左右にあって、センサーなども取り付けられていて、リアルタイムに検知するということだった。
車内にもカメラやセンサーがいくつも取り付けられている。車内を移動する乗客を危険とみなす一方、立っている人も吊り手(吊り革)を持っている場合は安全とみなすといった判断も行っているようだ。
これは例えばドライバーレス完全自動運転をする際に活用される技術だそうだ。
自動運転バスは、スムーズに発車。あらかじめ設定された13.6㎞を一周する。
当然と言えば当然かもしれないが、発進や停車、交差点で曲がるといったあたりもスムーズだ。
ライバーが運転席に乗車し、緊急の場合などには手動での運転を行う自動運転レベル2での運行となっている。
運転士がハンドルから手を離しているのを見なければ、自動運転とは決して気づかない。
今回時の自動運転の実施にあたっては、道路や信号機などのインフラには手を加えることなく、バスのみの対応で行っているという。
信号機も一般的なものと変わらない。
バスは、人間と同じ視覚情報から赤信号か青信号かを判断して走行しているという。
説明員の方に話を聞いてみたところ、現時点の技術ではこのあたりが限界のような感じだった。
つまり、現在の技術では、自動運転はセンサーから得た情報のみで行われるため、AIのような予測を用いることがまだできないのだという。
たとえば、前の車に追従することはできるが、交差点などで曲がった先で渋滞しているかどうかといった、“少し先の判断”ができない。
また、今回はなかったが、道路上に駐車している車を避けるような場合も、早めに運転士が介入しているようだ。
自動運転でもある程度の対応はできるそうだが、運転がきこちなくなってしまうおそれがあるためとも言っていた。