1765 感想いろいろ

文学・評論,科学,龍的図書館

 隣の課の、ふ~さんからは、いつもいろいろ本を貸してもらっている。今回は「あらしのよるに」「クジラを捕って、考えた」という本を借りた。また同じ課の“幹事長”からは「8時だヨ
! 全員集合 DVD-BOX」を借りてお正月に見させてもらった。なんだか借りてばっかり…。読んだ感想や見た感想をまとめてみよう。同じ内容ですが龍的書店にも収めてあります。

あらしのよるに〈1〉

あらしのよるに

 こんなにドキドキする絵本を見たのは初めてかもしれない。
 嵐の夜、オオカミとヤギが雨宿りした小屋に居合わせてしまったことから始まったなんとも不思議な物語。真っ暗な小屋の中で、お互いを仲間と誤解してしまう。まさか食うか食われるかの関係だとは、本人?たちも気付かなかったのだ。特殊な環境下に置かれたことで、ありえない友情が生まれたのだ。ただし、これは“特殊な関係”であり、常に微妙な危うさが漂う。そんな危うさが、ページをめくる手に力が入ってくるのかもしれない。
 すでに絵本でずっと前から発表されていた作品らしいが、映画化されたことによってさらに有名になったらしい。続編がとても気になる。
 傍から見たらとても危うい関係なのに、本人達はいたって平気。でも、本人達だって実はお互い微妙に気を遣っている…実際の世界でも似たようなことはある。心当たりありませんか? 【★★★★★】

クジラを捕って、考えた

 僕自身の意見としては、捕鯨は、絶対反対というわけでも絶対賛成というわけでもでもない。おそらくは多くの人たちと変わらない程度の意見しか持ち合わせていない。ただ、議論の推移については以前から興味があった。捕鯨関係の本は、これで2冊目。調査捕鯨というものに興味を持った著者が、半年間南氷洋での調査捕鯨に同行し、ありのままの様子を描いている。実際に鯨が発見、捕獲、解体されるシーンは非常にリアルで、これまであまり見聞きしたことのない貴重な話だ。調査捕鯨では実際にどのようなことが行われているのかということが、とてもよくわかる。
 読み終えたところで、ではどうしたらいいかという明確な答えが出てくるわけではないけれど、何か落としどころというか、解決策のようなものがないだろうか…と真剣に考えたくなる。 【★★★★☆】

ザ・ドリフターズ 結成40周年記念盤 8時だヨ ! 全員集合 DVD-BOX

8時だヨ ! 全員集合 DVD-BOX

 かつて「ひょうきん族派」と「ドリフ派」にわかれていたが、僕はなんと言っても「ドリフ派」で毎週欠かさず見ていた。番組を見た翌日から志村けんや加藤茶の真似をするのが当たり前だった。よく母から注意されたっけ。
 コント中の、たらいとかやかんが頭から落ちてくるシーンや、「ヒゲダンス」など、とても楽しかった。

 でもそれ以外のコントでは、どういうわけか、あまり懐かしさを感じられなかった。確かに毎週見ていたはずなのに。この違和感は何なのだろう? いかりや長介が「おいーっす」と、観客たちに呼びかけるシーンはよく覚えていても、その直後にコントの状況や設定の事前説明をしていたことなど、全然覚えてなかったし、後半が始まる前に、なぜかスーツを着たいかりや長介が「はい後半です。後半しゅっぱーつ!」と宣言するシーンなどは、全く覚えていなかった。いかに子供の時の視点と大人の視点が違うかということを感じさせられた気がする。

 他の感想で見て思い出したのだが、志村けんの「スイカ早食い」とか「早口言葉」など、思い出深いネタが割愛されている。もしかするとそうした思い出深いネタが抜けていることが、懐かしさを感じさせない遠因になっているのかもしれない。 【★★★☆☆】

Posted by ろん