7294 ミステリーきっぷの往路12時間
昨夜竹芝を出港して6時間半。
4時半くらいに目が覚めてしまった。睡眠時間はかなり短いけど、寝不足感はない。
外も見ると、さるびあ丸は、月明かりのなか静かに進んでいた。
6時前に最初の寄港地「大島」に着いてしまうので、5時半までには通常の放送を再開して、消灯も終わる。
船内の活動が活発になって、犬が預けられた場所に飼い主たちが迎えに行く様子も見えた。
大島に着くと、やたらたくさんの人たちが出迎えていた。
ただ誰かを出迎えるでもなく、じっと何かを待っている感じだった。
なんだろう…と思いながら、自席からその様子を見ていたら、どうやらご遺体が運ばれているようだった。
こういった帰島もあるのだ。
大島を出発。
デッキにたくさんの人たちが遠くを眺めていた。
自分も同じく、日の出を見に来たのだが、想定される日の出の時刻を過ぎても出てこなかった。
水平線付近に雲があるようだ。
その雲を越えると、ようやく太陽が顔を覗かせた。
初日の出じゃなくても、なんだか、ありがたみを感じる。
遠くに、特徴的な姿の島が見えてきた。
7時半からは、レストランが朝の営業を開始。船内の放送もあったから、当然ながらたくさんの客が集まって、行列ができていた。
このあとたった1時間だけの営業時間で、これだけのお客さんを捌けるのだろうか。
7時40分に次の寄港地である利島に到着。
着岸はスムーズだったが、ずいぶんと波が大きい。
たった5分ほどで利島を出発。
東京湾から外に出ているせいか、なんだかだいぶ揺れ始めていた。
念のため酔い止め薬を飲んできたし、大丈夫だろう…と思っているが、小さな子どもが、すっかい船酔いでつらそうな姿に遭遇。
「もう帰りたい」とお父さんに懇願している姿が痛々しい。
お父さんは「もうすぐだから!」と落ち着かせようとしていた。
そして、この子の目的地でもあった、新島に到着。
元気に降りていったようだ。
次の寄港地は、式根島だ。新島からは20分ほどで着く。
新島からの距離が近いこともあってか、式根島の水道や電気は、新島から海底に沈められた水道管やケーブルによって供給されているようだ。
式根島の停泊時間も利島同様わずか5分。
手際よく出航すると、次は、いよいよ最終目的地。
神津島へは、1時間も掛からずに到着予定。
いよいよ神津島が見えてきた。