7249 企画展「生誕120年 棟方志功展」
今日は、東京国立近代美術館で開催中の企画展「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」を賛助会員の特典で鑑賞してきた。
名前はよく聞くし、何となくイメージはわかるのだけど、こういう特典のようなきっかけがなければ、なかなか観に行かないだろうなぁ…とは思う。
1903年青森に生まれた棟方志功は、初めて見たゴッホのひまわりを見て「自分もゴッホになる」と初めは洋画家を目指していたが、のちに版画をおもに手掛けるようになったそうだ。
彼が暮らした場所ごと章立てられている。
プロローグ 出発地・青森
第1章 東京の青森人
第2章 暮らし・信仰・風土——富山・福光
第3章 東京/青森の国際人
第4章 生き続けるムナカタ・イメージ
さまざまな大作もあったが、気になったのは、この作品と合わせて紹介している”指示書”だ。
棟方志功にかかるとキリストもこんな感じになるが、この作品を飾る表具のデザインをした柳宗悦の指示書の細かさがすごい。
作品を見ただけでは、ここまで細かな指示によって作られているとは、まったく想像がつかなかった。
棟方志功の作品で一番最初に思い出すのは何だろう…と思っていたが、おそらくこれだろう。
切手にもなっているから、見覚えがあるのだ。
また、頼まれれば気軽に包装紙のデザインを引き受けたそうで、全国各地に包装紙やパッケージが残っているという。
埼玉をよく知る人だったら、「うまい、うますぎる」でおなじみの、十万石まんじゅうのデザインも棟方志功とのこと。
全体を通じて感じたのは、なかなか難しかった…ということだった。今回の企画展は、ごく一部を除いて、珍しくほとんどの作品が写真撮影可能だったので、気になった作品はどんどん撮影していいのはありがたかったし、何枚も写真を撮ったものの、なんとなく、どれもなんだか似たような感じに思えて、これは!…という感じで、どうしても撮りたい作品があまりなかった。
特に、前半から中盤にかけて、特に仏教に根差した作品が並んでいたが、どうもとっつきにくかった。
もう少し予習が必要だったかなぁ…とも思ったが、それもなかなか難しそうだ。
彼の作品は、世界的に評価されたということだが、具体的にどういったところが評価されたのか…みたいなところが知りたかった。
そして、そんな「世界のムナカタ」であるにもかかわらず、全国各地の包装紙のデザインなんかもしてしまう…「身近なムナカタ」の紹介も、彼の人となりを知るうえではもっと紹介してほしかった気がする。