7215 企画展「楊洲周延 明治を描き尽くした浮世絵師」

博物館・展覧会,芸術・デザイン



無料シャトルバスに乗れた
無料シャトルバスに乗れた

企画展「楊洲周延 明治を描き尽くした浮世絵師」を鑑賞のために、町田市立国際版画美術館に向かう。つい先日も来たばかりだが、今日から始まる企画展ということで、なんと初日に限り観覧無料ということで足を運んだ。

駅から美術館までシャトルバスも運行していてありがたい。

たった定員が10人なので、乗れないかもしれないとも思ったが、なんとか乗れた。

今日は入館無料
今日は入館無料
楊洲周延 明治を描き尽くした浮世絵師
楊洲周延 明治を描き尽くした浮世絵師

楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)は、明治を代表する浮世絵師だそう。初めて知ったが、おそらく知らないうちに目にしてきたことがあるかもしれない。

40歳から本格的に活動を開始した“遅咲き”の絵師だが、彼が手掛けてきたのは、もっとも得意とした美人画、役者絵、歴史画から、憲法発布や帝国議会の様子のような世相を描いたものや、日清戦争や日露戦争などの戦争画など、ジャンルはかなり幅広い。

本展では約300点が展示されているという。

《青山仮皇居御能ノ図》1878年(明治11年)7月20日
《青山仮皇居御能ノ図》1878年(明治11年)7月20日
《飛鳥園遊覧之図》1888年(明治21年)3月23日
《飛鳥園遊覧之図》1888年(明治21年)3月23日

一部の作品では撮影可能ではあったが、気になった作品はその対象になっていなかったため、実際の作品を紹介できないのはちょっと残念。

「源義経9代目市川団十郎、静御前8代目岩井半四郎、狐忠信5代目尾上菊五郎」
演者によって顔が差し替えられるような仕組みになっていておもしろいが、差し代わった表情の違いがわからず…。昔の人は、これで全然違うのがわかるのだろう。

幻燈写心競 洋行
幻灯は現在でいうところの、プロジェクターのようなもので、これに映し出されれた風景と主人公の女性の対比がおもしろい。海外に行ってみたいなぁ…という思いが写し出されているのだろうか?

《真美人 丗二》1897年(明治30年)12月25日
《真美人 丗二》1897年(明治30年)12月25日

「”真美人”シリーズ」は、”本当”という意味での”真”と”新しい”という意味での”新”も引っ掛けているというのだから、完全なる“芸術作品”で、現在の週刊誌のグラビアみたいな感じかもしれない。

さらに、これを再利用して、カレンダーにしていた例が展示されていたが、現在でも普通にありそう。

皇国陸海軍大演習御幸之図(1890年(明治23年)3月)、牙山近傍於テ日清大戦争之図(1894年(明治27年)8月)、我軍威海衛占領之図(1894年(明治27年)8月)、我軍鴨緑江ヲ経テ九連城ヲ占領之図(1904年(明治37年)4月)の4点は、よく見ると、同じ構図だが色を変えて左半分を差し替えるだけだ。それなのに、ぜんぜん違う内容を伝えているのは、ずいぶん“雑”な感じはするけど、版画はこういった使いまわしができるのは、は便利?なのかも。速報性を重視したということらしい。

「流行美人 浅草公園水族館」
揚州周延の作品は、やっぱりどこまでも浮世絵の雰囲気を漂わせているのだけど、描かれている世界はどんどんと変わっていくところは興味深かった。

帰りは、残念ながら、定員オーバーで無料のシャトルバスには乗ることができなかった…。

Posted by ろん