5208 アルチンボルド展
今日は、一応”夏休み”ということで1日だけお休み。
上野の国立西洋美術館で開催中の「アンチンボルド展」へ行ってきた。
アルチンボルドは、16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷画家。
果物や野菜、動物、書物や道具などを”素材”にして人物を描く「寄せ絵」は、誰もは一度は見たことがあって、けっして忘れないと思えるくらい印象的なものだ。
アンチンボルドの作品の実物を見たのは、たぶん2度目だ。
前回は「だまし絵展」の展示の一部として鑑賞している。
それにしても、実物をじっくり鑑賞してわかるのは、ただ”騙す”というものではなく、モチーフとした素材の精密さあが際立つということだった。
1つの絵に、かなりの”素材”が描きこまれているので、しばらく見てても飽きないし、おそらく何度見ても、いろいろな発見があると思う。
解説で気がつかされるのだけど、素材のひとつひとつに意味付けがなされていたり、数字や文字などが描き込まれたりと、見どころは尽きない。
そして、今回の鑑賞で、初めて知ったことがある。
(にわかには信じられなかったが)、それまで存在しなかった「肖像画」というジャンルと、「静物画」というジャンルを生み出すきっかけになっているのだという。
その後の絵画の世界に多大な影響を与えたということを意識して、あらためて、彼の”寄せ絵”を鑑賞すると、またさらに興味深く思えてくる。