7200 富岡町と大熊町を見る

建築・都市,旅行・見学・イベント

富岡は何度か来ているが、車で来たのは初めてなので、朝から少し足を延ばして、付近を散策する。

一番最初にこの場所を歩いたのは、2017年5月だったから6年半ぶりだ。

このころは、まだ、がれきもあちこちに残っていた。

6年半ぶりに富岡の海へ
6年半ぶりに富岡の海へ
2017年5月はこんな感じ
2017年5月はこんな感じ

以前は、駅からそのまままっすぐ海まで出られたが、いまは、堤防とそこを通る道路ができていた。

海は遠くなったのは致し方ないか…。

現在は堤防ができてる
現在は堤防ができてる
2017年5月は工事開始前か?
2017年5月は工事開始前か?
防風林が作られる
防風林が作られる

海と駅のあいだの広大な空き地は、当時も今もほとんど変わってなかったが、防風林の工事が行われているところだけが変わっていた。また何年かしたら、ここの風景も変わっていることだろう。

海沿いは何もなかったところに大きな堤防ができていたが、国道6号線沿いには以前あった建物がなくなっていた。

今は何もないけど…
今は何もないけど…
2017年5月はこんな感じ
2017年5月はこんな感じ
現在は原発の廃炉資料館となっているが、かつては原発のPR施設となっていた。
現在の東京電力廃炉資料館
現在の東京電力廃炉資料館
2017年5月の旧エネルギー館
2017年5月の旧エネルギー館
とみおかアーカイブ・ミュージアム
とみおかアーカイブ・ミュージアム

とみおかアーカイブミュージアムにやってきた。2021年7月にオープンした福島県富岡町の歴史や震災、原発事故を伝える伝承施設。

公共交通で訪れる手段がなかったこともあって、ようやく訪れることができた。

これまで各地の震災の伝承施設を見学してきたが、ここでもいろいろと考えさせられる展示が多かった。

特に印象的だったのは、さまざまな時刻で止まっている時計だった。

この止まっている時間によって、震災の経過をたどることができるのだ。

さまざまな資料を展示
さまざまな資料を展示
止まった時刻の意味を考える…
止まった時刻の意味を考える…
津波で被災したパトカーには、警官2人が乗っていたそうだ。屋外に置かれた常磐線のレールは、本当はぐにゃりと曲がっていたそうだが、ここに展示されたときには、すっかり元に戻っていたという。

いかに、レールには柔軟性があるかがわかるが、残念ながら、震災による影響を伝えるには、ちょっと”弱い”かも。

亡くなった警察官の乗っていたパトカー
亡くなった警察官の乗っていたパトカー
元に戻ってしまったレール
元に戻ってしまったレール
今回なレンタカーのおかげで、ちょっと気になったところまで足を運べる。とみおかアーカイブ・ミュージアムをあとにして、大熊町に向かう途中で、廃墟のような店がいくつもあったので、車を止めてみた。

「ケーズデンキ」は、2011年3月にオープンを予定してところで被災したため、一度も客が入ったことがないそうだ。

その隣には、廃墟と化した「しまむら」があった。

一度も開店しなかったケーズデンキ
一度も開店しなかったケーズデンキ
”休業日”が続くしまむら
”休業日”が続くしまむら

向かいには、看板こそなくなっていたが、どう見てもセブンイレブンだったと思われる店舗が、放置されていた。

富岡町の中心部付近では、こうした建物はだいぶなくなってきたが、町の郊外ではまだまだたくさんある。

どう見てもセブンイレブン
どう見てもセブンイレブン
取り壊しが始まったばかり
取り壊しが始まったばかり
まだまだ廃屋が多い
まだまだ廃屋が多い

大熊町のかつての中心部付近では、ようやく建物の取り壊しが始まっていたが、まだまだ廃墟と化した建物が多く残っている。

町民の方から話を伺う
町民の方から話を伺う

半年前くらい前に「おおくま町見学ツアー」の福島第一原発の廃炉現場の見学と合わせて参加したが、今回は、中間貯蔵施設の見学と合わせての参加となった。午前中は、大熊町民から震災体験談を窺う。

前回に続いての参加ということで、こうした内容では一部は重複する内容もあると聞いていた、今回伺った震災時の体験談は、前回とは別の方で、とても興味深く伺うことができた。

中間貯蔵施設へ
中間貯蔵施設へ

午後からは、大型タクシーで中間貯蔵施設の見学へ。

施設の方から話を伺ったあと、中間貯蔵施設の用意したバスに乗車して実際の現場見学に出発。

各地からは放射能を帯びた土壌の搬入は、周辺以外はほぼ終わり、土壌の分別のかなり進んでいるという。

想像以上に作業は進捗
想像以上に作業は進捗
施設内は震災前からそのまま…
施設内は震災前からそのまま…
バスから下車したところに、仮設の展望台が設けられていて、そこから福島第一原子力発電所がよく見えた。

原発が一望できる場所は、原発のある現地以外ではここしかないそうで、現地取材や中継でもよくつかわれるという。

展望台へ
展望台へ
福島第一原発と貯蔵施設
福島第一原発と貯蔵施設
倒壊の危険があるため下車はできず、パスの乗ったままの見学となったが、かつての福島県水産種苗研究所は、その規模の大きさからかなりのインパクトがあった。
福島県水産種苗研究所跡
福島県水産種苗研究所跡
ベルトコンベア
ベルトコンベア
土壌貯蔵施設
土壌貯蔵施設
厳重な管理のもと、処理が行われていることはよくわかった。

ただ、あまりに規模が大きく、これらの大量の土砂が、本当にすべて福島県外に搬出することができるのかどうか…と思わずにはいられなかった。

最後にバスに乗る前のチェック
最後にバスに乗る前のチェック
津波で半分なくなった公民館
津波で半分なくなった公民館
あちこちに残る、震災の爪痕は、強く印象に残った。

Posted by ろん