6988 入院(3日目)
手術でかなり疲れたので、寝られるかな…と思ったが、なかなか寝付けず。
そしてようやくうとうととした午前2時過ぎくらいに、再び目が覚めてしまった。
昨日「痛い痛い」言っていたお年寄りが、何やらごそごそやっている。
とにかく静かな病室で、そのゴソゴソは響くのだ。
しばらくしたら落ち着くだろうと思ったが、ちっとも変わらない。
そのうち、何をしているのかがわかるようになってきた。
どうやら、翌日の退院に備えて、片付けを始めたようなのだ。
それにしても、すべての行動がうるさい。
薬の整理も始めたらしく、錠剤の包装シートのカサカサ音が響く。
不用意に物を落としたり、荷物を動かしたときにドシンと落とす。
おそらく本人は気にしてるつもりなのだろうが、静かにする閾値が高すぎる。
そして、おそらく、手も当てずに、大きなくしゃみをするから、それも響く。
ようやく静かになったと思ったら、お茶を汲んできたらしく、ひと口飲むたびに「あぁ〜」と、悦に入ってる感じが、いちいちうるさい上に、より一層腹が立った。
イライラしているうちに、そのお年寄りは寝たらしいが、自分は寝られない状態が朝まで続いた。
わずかに寝た時間に、目の不自由な人を手助けする夢を見た。
なぜか、石がゴロゴロしてるところを僕が一生懸命案内している。
なぜそんなところを案内しているんだろう…と思ったところで夢が覚めた。
そして、朝、そのお年寄りが、看護師を捕まえて、いろいろ文句を言い始めた。
一昨日、目や頭が痛かったのは執刀医は下手だったからじゃないか?とか、眼圧が高いからといって頭痛がするのはなぜなんだ?とか、医師に説明を聞いたところで、自分の失敗は答えないじゃないか…と言いたい放題だった。
カーテン越しに、こういうことを聞いているだけで、こちらの方までイライラしてくる。
その後、診察へ向かう。
執刀医の医師からは、手術自体問題なかったこと、予定通り退院して良いこと、退院後の診察などの予定を確認して病室に帰ってきた。
病室に帰ると、そのお年寄りは退院したようだったので、ようやく静かな病室になった。