6975 【特別展】 日本の風景を描く

山種美術館で開催中の「【特別展】日本の風景を描く」を鑑賞。
江戸時代から現代まで日本の風景や自然を題材にしたさまざまな作品が紹介されている。
1枚だけ除いて写真撮影不可だったが、気になる作品も多かった。
山元春挙《火口の水》1925年(大正14年)
院展で、遺憾なきまで写景の真に迫ったと評されたそうだ。特にタイトルにもなっている火口の水面と、その水を飲む2頭の鹿の口元の水の波紋など、かなりのリアルさだった。
菱田春草《釣帰》1891年(明治34年)
朦朧体と厳しく批判されたそうだが、この“朦朧”とした感じがとてもいい。よく見ると人物の表情まで穏やかだ。

川端玉章《海の幸図》1892年(明治25年)頃
心配そうに子どもの出掛けるのを見送る母親の姿や、魚を交換している男たちの姿など、人々の生活の一部を切り取ったかのようだ。
石田武《四季奥入瀬 瑠璃》1985年(昭和60年)
大きな絵のなかに、ふと見落としそうになるが、カワセミが飛び立った瞬間を捉えた風景だ。綺麗な空気まで伝わってきそう。
横山大観《春の水・秋の色》1938年(昭和13年)頃
子供達の声が聞こえてきそうだ。
川合玉堂《早乙女》1945年(昭和20年)
農婦の表情がいい。とても戦時中とは思えないのどかさ。
田渕俊夫《輪中の村》1979年(昭和54年)
本展のパンフレットにも使用されている作品。写真だとわかりづらいが、アルミホイルを使って描いたという空は実際の作品を見ると、その質感が伝わってくる。大規模なビニールハウスが描かれている風景画というのは、あまり見たことがない気がする。