5916 マル秘展
東京ミッドタウンの「21_21 DESIGN SIGHT」で開催中の「マル秘展 めったに見られないデザイナー達の原画」を鑑賞(正しくは、機種依存文字で“㊙️展”)。
日本デザインコミッティーに所属するメンバーたちの、作品を作り出す過程で生まれた原画…スケッチ、図面、模型といった作品の数々を紹介する企画展だ。
日本デザインコミッティーは、1953年に、著名なデザイナー、建築家、評論家によって設立され、以来、メンバーの入れ替えがありながら、現在まで活動を続けている。
以前、日本デザインコミッティーが主催する企画展を、松屋銀座まで観に行ったことがあった。
日本デザインコミッティーと松屋との関わりは深く、冒頭では松屋で開催されたイベントのポスターが展示されていた。
会場には「原画展示の見方」として、6つ方法が紹介されていた。
①分野ごとの方法の違いを見る
②デザイナーごとの方法の違いを見る
③筆記用具や道具を見る
④デザインの質の変化を見る
⑤デザイナーの考え方を知る
⑥原画を観察してスケッチしてみる
メインの展示では、メンバー26人がそれぞれのケースで、メモ、スケッチ、図面、模型が展示されている。
観て思ったのは、多くの人たちの原画は、びっくりするくらい緻密で、分量が多いということだった。
デザインというものは、インスピレーションであったり、感覚的なもの…みたいな、どこか“ふわっと”した感じのイメージがあったが、実際は、むしろ、まったく逆で、極めて論理的に説明できるくらいでないいけなのだとわかる。
もしかすると、アイディアくらいだったら、素人でもいいものができるかもしれない。
でも、それをしっかりと形に仕上げることができるか、それをきちんと説明ができるか、さらに、そうしたアイディアを尋常でないくらい量産しすることができるかどうかが、プロフェッショナルとの違いなんだろうなと思う。
展示されている原画のなかには、原研哉の東京オリンピックエンブレムデザイン案もあって、興味深かった。
これは、あの騒動のときに2位となっていたもので、こちらは当時結構好評だったようだ。
興味深い展示で面白かったのだけど、そもそものここの企画展の名前は、あまりセンスがないなと思ってしまった。
開催前にもらったパンフレットは、企画展の名称と参加するメンバーの名前しか書かれておらず、裏面にいたっては真っ白だったから、イメージができず一体何をするんだろう…という状態だった。
それこそ最初から「めったに見られないデザイナー達の原画展」にしたほうがよかった気がする。