6032 結局は伝えたいことありき(発令44日目)
フジテレビの「バイキング」で、緊急事態宣言解除判断もされてない5月19日、原宿の竹下通りでは多くの人出が見られたと紹介した映像が、実は、3月のものだった…と判明し批判を浴びた。
判明したきっかけが、映像に映り込んだマクドナルドの「てりたま」の看板だったそうだ。
たしかに、4月上旬までの期間限定販売の商品の告知が5月もそのままということはあり得ないのだ。
言われてみれば…と思ったが、見る人によって注目するポイントが違うということがよくわかる話だ。
さらに、似たような話もあった。
緊急事態宣言の発令前に撮影された写真を使って「混雑している」としたテレビ朝日の「モーニングショー」だ。
小湊鉄道へ譲渡され輸送されるキハ40系を撮影しようとする鉄道ファンで蘇我駅はパニック状態になった…と紹介したら、そこで使われた写真は、実はまったく別の日のものだったというもの。
実際自分は放送は見ていないが、掲載された写真が違う日のものだったら、鉄道ファンが見れば、すぐに「あれ?」と違和感を覚えるはずだ。
知らない人からすればどれも同じ“電車”に見えるかもしれないが、当然まったく違う、“車両”(機関車、客車、気動車、電車)なのだから、鉄道ファンを甘く見てもらっては困る。
…というか、フジテレビの「バイキング」にしても、テレビ朝日の「モーニングショー」にしても、共通して言えることは、彼らがテレビで伝えたいのは、事実ではなく自分たちの考えや希望なのだ…ということだ。
伝えたいことありきで映像を構成するから、裏付けは置いておいて、希望に沿った映像をそのまま使ってしまうのだ。
これまでに何度となく指摘され、その度に謝罪してるが、一向に改善されることなく、むしろ悪化している。
観る側が、マスコミに対して、さらに厳しい目を向けてきちんと声を上げるとともに、“伝えたいことありき”がマスコミの前提であるという意識を持つしかなさそうだ。