5946 画家が見たこども展

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三菱一号館美術館
三菱一号館美術館

今夜は、三菱一号館美術館で「開館10周年記念 画家が見たこども展」を鑑賞してきた。

これは、企画展開催直前に会員向けに開催される貸切鑑賞会で、今回で2度目の参加だ。

平日夜のせいか、“会員向け”で限定されているせいか、鑑賞者もそれほど多くなく、音声ガイドも無料で貸し出されることもあって、充実した鑑賞ができて楽しい。

画家が見たこども展
画家が見たこども展

前回の企画展で初めて知った「ナビ派」の作品の中から「子ども」に焦点をあてた作品が紹介されている。

ナビ派は、印象派に続く世代の芸術家グループで、1888年から1900年頃のパリで起こった芸術運動のひとつだそう。

今回の展示では、主にピエール・ボナール(1867-1947)と、モーリス・ドニ(1870-1943)の2人の作品が多かった気がする。

全体として、正直、あまり可愛い子どもたちはいない感じだったのは、それはそれで興味深い。

ごく一部の作品だけ、写真撮影が可能だったが、そのなかで一番気になったのがこの作品。

《可愛い天使たち》1894年 木版
《可愛い天使たち》1894年 木版

フェリックス・ヴァロットン《可愛い天使たち》1894年 木版

タイトルが「可愛い天使たち」で、実際にたくさんの子供たちが元気にはしゃいているのだが、その中心には、警官と身なりの貧しい男性。

無邪気ゆえに時に残虐さを伴う子どもの本質を風刺的に表している…と解説にあったが、“子どもは正直”というのは、今も昔も変わらないのだ。

あらためて、ナビ派の特徴を検索してみたところ、こんな感じらしい。

特徴① 平面性、装飾性
縦長であったり格子柄であったりジャポニズムが垣間見える作品

特徴② 神秘性
作家の精神世界や宗教観が反映された作品

特徴③ 親密性、日常の風景
家族や屋内、日常の何気ない風景が描かれた作品

ナビ派の中心人物であったピエール・ボナールは「日本かぶれのナビ」と呼ばれるほどの親日家だったという。

「日本かぶれのナビ」って誰のこと?

こんな芸術活動でも、日本が関わってくるということにびっくりする一方で、とたんに親近感も湧いてくる。

Posted by ろん