7433 特別展「浮世絵の別嬪さん」
大倉集古館で開催中の「浮世絵の別嬪(べっぴん)さん―歌麿、北斎が描いた春画とともに」を鑑賞。
おじゃこが年間パスポートを購入したことで、自分も鑑賞できるようになったから行かないともったいない。
![特別展「浮世絵の別嬪さん」](https://i0.wp.com/www.ronworld.net/blog/archives/img/2024/05/240504-01.jpg?resize=480%2C360&ssl=1)
展示は以下の章立てで構成されている。
第1章 初期風俗画と又兵衛、そして師宣の誕生-17世紀
第2章 安度、長春の隆盛-18世紀前期までの美人画
第3章 春章、歌糖、栄之の精華-18世紀後期の美人画
第4章 葛飾北斎と歌川派の浮世絵師-19世紀の美人画
第5章 めくるめく春画の名品
本展は肉筆の浮世絵を中心に紹介されているが、浮世絵の歴史のような感じで、時代を追った展示をしている。
まず、室町時代後期に名所や物を描画の中から、人々の暮らしを描く「風俗画」が誕生し、江戸時代になると歌舞伎の盛り上がりを受けて需要が高まっていく。
屏風などの大画面から、小型の掛け軸にまでダウンサイジングしつつ、量産もされていったことで、多くの人に鑑賞されるようになったという。
ここで2人の名前が出てくる。岩佐又兵衛と菱川師宣(もろのぶ)で、調べてみると、浮世絵の元祖と呼ばれることもあるようだ。
岩佐又兵衛は肉筆浮世絵だけだたが、菱川師宣は肉筆画はもちろん版画でも才能を発揮したという。
ただし早くから風俗画を描いていたのは、岩佐又兵衛だったようで、どちらを元祖と決めるのは難しそうだ。
かつて、切手収集ファンのあいだで、特に高価で取引されているということで有名だった「見返り美人」は、菱川師宣の作品だそう。
版画、多色刷りがふきゅうすることで、浮世絵がより世間に広まると、多くの絵師が誕生するが、そのなかで登場したのが、喜多川歌麿だった。
そして、葛飾北斎、歌川豊春を開祖とする歌川派と続いていく。
第5章だけは、地下の一部で、15歳未満は鑑賞不可となった、春画の紹介。
現在のネットやかつてのビデオなど、流通する媒体が変わるだけで、“エロ”の文化は、いつの時代も変わらないのだと、あらためて実感する。
本展とは直接関係ないが、大倉集古館のの公式サイトは、自分にとっては、ちょっと困ったつくりになっていると感じている。
というのも、公式サイトの企画展を紹介するページは「現在」、「これから」、「これまで」の3つに分かれてしまっているだけで、企画展を個別に紹介するページがない。
そのため、今回の企画展を紹介するページにリンクをはろうとしても、そのページは「現在の企画展」を紹介するページであり、企画展が終了するとその内容は消滅し、新しい企画展の内容に差し代わってしまうからだ。
ということで、本展を紹介するサイトは、公式ではないサイトへリンクせざるを得ないということになってしまう。