3259 花の画家 ルドゥーテ『美花選』展

今日は、以前から有給休暇を取っていたものの、これといった予定はなかった。

そこで・・・というわけではないが、おじゃこが行きたいと言っていた展覧会についていくことに。

渋谷のBunkamuraで開催されている、「花の画家 ルドゥーテ『美花選』展」を見に行く。

この展覧会の主役、ピエール・ジョゼフ・ルドゥーテは、ベルギーの画家で、「バラの画家」として知られる・・・そうだ。当然ながら?、僕は初耳だ。

ルイ16世王妃マリー・アントワネットの蒐集室付素描画家だったというから、その頃の人だ。

生涯にわたってさまざまな植物画を描き続けたそうだが、彼のポリシーとして、植物学に仕える者として、描く絵に求めるものは、あくまでも写実的な正確さである・・・と考えていたそうだ。そして同時に、美術作品であることも強調していたという。

花束(ブーケ)を描いた絵には、水滴や昆虫なども描かれ活気付られているものの、ふつうだったら描くはずの背景があるものだが、植物学に仕えていた彼は、素の花束だけを描いているのは興味深い。

ルドゥーテは、植物画を、点刻彫版法(スティップル法)という技法を駆使し、絵を立体的の見せるよう工夫したらしい。輪郭線を彫らずに、針で銅板に点刻し、点の集散で図像を表現する凹版画的画法だ。つまり、絵のすべてで線は引かす、点だけで表現する・・・ちょっと気が遠くなる。

今回は「美花選」という作品集を展示しているが、これは、分冊を数年かけて発行して行く分冊方式で作られているそうだ。

ルドゥーテが水彩で原画を描き、版画師が彫版し、印刷されたものに部分的に手彩色を施して、図版される。それを、顧客が集めて、自分好みに装丁するらしい。

まるで、デアゴスティーニそのもの!

でも、その発行される期間の長さはすごい。もし、いま、こんな本が売られたら、けっこう売れるのではないか?なんて思った。

「美花選」は、1827年に発行が始まり1833まで続いたそうだ。同様に発行された「バラ図譜」は1817年~1824年、「ユリ科植物図譜」に至っては、80分冊で、なんと14年(1802年~1816年)掛けて発行され続けた。

写真のなかった当時は、こうした精密な絵が必要であったのだろう。でも、本当に美しい部分や植物学上大事なことというのは、むしろ絵だからこそ、伝わるということもあるような気がした。本当に、細かく描き込まれている。

花の絵の展覧会という内容のせいか、平日の午後という時間帯のせいか、来場者の多くが女性であった。

ふと思ったのは、そもそも、花を愛でるのは、動物のなかでは人だけで、さらに、高い関心を示すのは、どうして女性が多いのだろう?

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