3967 首都圏外郭放水路を見学
首都圏外郭放水路は、集中豪雨などによる氾濫を防ぐため、各河川から水を取り込み、江戸川に排水する地下トンネル。
地下放水路としては、世界最大級ものもので、水の流れを調整する“調圧水槽”は、“地下神殿”とも呼ばれるほど、巨大でスゴイ場所として有名なところ。
以前から、一度見に行ってみたいと思っていたが、見学は平日のみで、さらに事前予約が必要ということで、なかなか機会がなかった。
それが今週末だけ予約なしで見学できると知り、行ってみることにした。
大宮から東武野田線に乗る。車窓からは、気になる病院の名前が…

30分ほどで最寄り駅の南桜井に到着。
ここから臨時のシャトルバスに乗り換えるのだけど、長蛇の列ができていた。

3台目のバスでようやく順番がやって来た。
バスは無料…というわけではなく、片道100円。
車窓から「春日部」と大きく書かれた大凧が見えた。
あれ?以前は、たしか、庄和って書かれていたはず…
庄和町と合併して、いまは、春日部市となったため、書き換えられたようだ。
1995年3月にママチャリで国道16号線を一周したときの写真を思い出して、確認してみた。
おそらく場所は同じはずだけど、雰囲気は全然違っていた。

バスは10分ほどで、会場の、庄和排水機場(龍Q館)に到着。
[map addr="埼玉県春日部市上金崎720" zoom="12"]
排水用のポンプや見学施設などがあり、その地下に巨大な調圧水槽がある。
ここでも、またまた長蛇の列。列に並ぶ人が、係員にどれくらい並ぶか?と尋ねているのが聞こえた。
「2時間かそれ以上…」

かなりの行列に、もしかしてそれくらい掛かるかも…と思っていたが、意外と列の進み方は早く、30分ほどで入口の階段へ。
約100段ほどの階段を下りていく。
階段の途中は、危険防止のため撮影禁止。

最下段までやってくると、そこは、まさに“地下神殿”だった。
巨大な空間は、他に形容できるものが思いつかないような場所だった。
長さ177m、幅78m、高さ18mあるという。
でも、感覚的には、ただただ、だだっ広い!って感じ。

ふだんはこんな何もない空間だが、ひとたび豪雨があれば、ここに水が溜まる。
水が溜まれば、その水位は、ここから遙か上空だ。

ポンプにつながる羽根車(インペラ)公開場所にも、行列ができていた。

調圧水槽は、通常の見学のコースに入っているが、ここの羽根車(インペラ)と、このあと見学するポンプ室は、ふだんは公開されず、8年ぶりの公開だという。
ポンプは4台あわせた能力は、小学校にある25mプール1杯分を、たった1秒で排水できるほどだという。
巨大な羽根は、見てるだけで、ちょっと怖い。


“地下宮殿”を進んだ一番奥には、直径30m、深さ70mの立坑があったが、こちらは立入禁止になっていた。

地上では、イベントの真っ最中。ゆるキャラたちが踊る真下に、調圧水槽(地下宮殿)がある。


ポンプ室も大きな空間で、4台のポンプが並んでいた。
先ほど見た、羽根車につながっている。
この動力は、航空機のジェットエンジンにも使われる、プラット・アンド・ホイットニー社製のガスタービンエンジンが使われているという。
この雰囲気、どこかで見たことがあるなと思ったら、去年行った黒部第四発電所だった。
ポンプと発電機の色や、床の市松模様がそっくり。
こういう施設って似てしまうものなのだろうか?

庄和排水機場の屋上が開放されていた。周囲に高い建物がないので、見晴らしがいい。

空を見上げてみると、小型プロペラ機に牽引されたグライダーの姿が確認できた。一度乗ってみたいもの。
帰りのバスも、やはり行列ができていたものの、10分ほどで乗車できた。
無事見学を終え帰宅の途についたが、いくつも行列に並んだこともあって、ちょっとくたびれてしまった。
でも、見学した甲斐はあったと思う。