3925 試される鉄道

社会・政治・事件,鉄道

JR北海道の不祥事が続いている。

以前から、北海道に思い入れは強いこともあって、JR北海道には頑張って欲しいのだけど、こうも立て続けに、問題が起きると、何とも悲しくなってくる。

あまりに多すぎて、ニュースで伝えられているトラブルが、新たに起きたものなのか、以前起きたものなのかわからなくなってしまうくらいだ。

安全に鉄道を運行させるための根幹ともいえるATS(自動列車停止装置)を、運転士が、なぜかハンマーで破壊したという事件…「後輩2人が同乗していたので、恥ずかしくて自分のミスを隠したかった」という動機。

函館本線大沼駅で起きた貨物列車脱線事故を調査した結果、JR北海道全線において、なんと97カ所で、線路の異常を補修せず放置していたことがわかった。しかも、そのうち数カ所は、1年間近く放置されていたという。

これらの問題で、どうしても理解できないのは、当事者の思考回路だ。

動いていた列車のATSを物理的に壊せば、まず自分が疑われるのでは?…って思わないのかな?

線路幅が広がり続ければ、いずれ脱線するのでは?…って思わないのかな?

こんな単純なことがわからないというのは、どういうことだろうか?

ほんのちょっと考えれば、絶対に選ぶはずのない選択肢を、あえて選んでしまう人がいるという事実。

特定の企業で不祥事が続けば、その企業や組織のあり方が問われるものだが、ここ最近の問題を見ると、それだけでは済まなそうな、本当に絶望的な気分になってくる。

三陸鉄道の例にもあるように、鉄道の存在は地域の精神的な支えとなり、駅は町の中心であり続けると思う。

でもそれは、当然、安全が担保されてこそのの話。 危険な鉄道にそんな愛着が湧くわけもない。

これからが正念場。北海道のキャッチフレーズ“試される大地”ではないが、まさに、“試される鉄道”と言えるかもしれない。

何とか乗り越え、復活を遂げてほしい。

Posted by ろん