3926 追従?反抗?逃亡?
先日、文化庁が発表した、2012年度版「国語に関する世論調査」には、いろいろと興味深い内容が載っている。
“きんきん”に冷えたビール、パソコンが“さくさく”と動く、“ざっくり”とした説明なんていう表現は、かなり身近な感じがするけど、60歳代以上になると、使ったことがあるという人は2割を切ってしまうそうだ。
こういったオノマトペや、ら抜き言葉のように、伝えたい内容が、ほぼ変わらないのであればよいが、まったく違った意味で伝わるとなると、ちょっと問題だと思う。
今回の世論調査によれば、「役不足」「流れに棹さす」「気が置けない」「噴飯もの」…これらは、本来とは違う意味の方が多く認識されているという状況だ。
そうは言っても、誤って使っている人の方が多いということは、逆に、正しく使っている人からしたら、“違って認識される”可能性が高くなるということになる。
この状況をどう考えればよいのだろう?
この調査はの目的は…
文化庁が平成7年度から毎年実施しているもので,日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し,国語施策の立案に資するとともに,国民の国語に関する興味・関心を喚起する。
ということで、この調査結果を踏まえ、どうしたらいいか?というところまでの提言はない。
ただ選択肢を考えると、3つくらいかな?と思った。
- 誤用が進んだ現実を受け入れ、誤用を正しい用法として使用
- あくまで誤用なのだから、積極的に本来の用法として使用
- 誤用される可能性がある言葉の使用を控える
追従する1.も、反抗する2.も、なんだか無理してる感じだし、逃亡する3のように、あえてこういった言葉を意識して使わないようにするというのも、ちょっと違和感がある。
一番気になったのは、「噴飯もの」という言葉。
「腹立たしくてしかたないこと」と誤った意味で使っている人が半数を占めてしまい、本来の意味である「おかしくてたまらないこと」で使っている人は2割を切っているという状況だ。
でも、噴飯ものという言葉は、ちょっと考えてみれば、そんなに難しい言葉ではない。
おかしくて笑っちゃうから…ご飯をこらえきれずに噴き出すというだけのことだ。
腹立たしくて、飯を吹き出した人なんて見たことない。
もしあったら、この光景こそ、噴飯ものではないか。