考察
正直に言って、かつて、血液型による性格判断を、懐疑的ではあったものの、どこか信じていたところがある。
しかし、冷静になって考えれば、これほど迷信じみて、根拠のないことはないように思えてきた。
○型は○○で、×型は××だ、と性格や思考が決めつけられてしまう、その根拠は何だろう? おそらく、そんなものはないだろう。単純な経験則の積み上げだけだ。
まぁ遊びなんだから、「インチキだ」と目くじらを立てることはないのだろうが、根拠や裏付けもない本が、日本中で合計500万部以上も売れてしまう現実に、軽い恐ろしさを感じるのだ。
各血液型の傾向は、(残念ながら)広く知られていて、事前学習(共有)した前提で行われる。つまり、“思い込み”があるから、診断結果にはどうしてもブレや偏りが出てくる。信じ込もうとする傾向すら出てくる。
だから、ほんとうに血液型が性格に影響しているというのならば、バイアス(偏向)を取り除いた状態で、正々堂々と判断なり、診断なりすべきだし、すべての血液型とも比較しなければ正しいとは言えないはずだ。
そこで、先日の“ちょっとした実験”だ。
勘のいい方は、すぐにわかったかもしれない。
この質問は、大ベストセラーとなった、血液型別の“自分の説明書”シリーズの新聞全面広告から引用したものだ。血液型別に記載してあったものを、あえてバラして、血液型の先入観をなくした状態で選んだらどうなるかを実験してみた。
選択肢 | 血液型 | 僕の場合 | ||
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B型 | 4 | ||
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O型 | 4 | ||
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A型 | 4 | ||
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AB型 | 6 |
僕はB型だが、結局どれもほとんど変わらなかった。強いて言えば、AB型に近い。他の人はどうなんだろう?
果たして、こんな状態で自分の“教科書”と言い切ってしまうのもどうかと思うが、タイトルがよかったのだろう。書店に行けば、似たようなタイトルの本がいろいろ見つかる。うまいタイトルで500万部以上の売り上げ。定価1000円だから、数%の印税と考えれば、最低でも数億円が著者に渡ったことになる。
インターネットによるアンケートだから、信憑性は高くないが、こういった結果も出ていて、日本人の血液型に対する高い関心(好意的な)が伺える。問題の根は深そうだ。