7455 テルマエ展
パナソニック汐留美術館で開催中の「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」を鑑賞。
古代ローマでは大規模な浴場が整備されていたことが知られている…と言っても、漫画や映画の「テルマエ・ロマエ」で知った人も少なくないと思う。
自分もそのひとり。
あれは、どこまでがフィクションなのかがよくわからないが、テルマエの整備が、民衆の支持を集めるための政治的な意味合いもあった…なんて話を聞くと、映画でやっていたようなこともありそう…なんて思ってしまう。
本展では、”テルマエ文化”の時代の絵画や彫刻、考古資料などを紹介している。
テルマエには、室温や水温が異なる浴室、サウナ、プール、運動場などが設けられ、体を洗うのはもちろん、運動やマッサージなどが行われていたそうだし、人々が交流する場でもあったそうだ。
そう考えると、日本の銭湯よりもだいぶ規模が大きい。
豊富に水や燃料、そして奴隷という多数の労働力に支えられたテルマエは、ローマ帝国の富と技術の象徴だったともいえる。
写真撮影も一部ではあるができるようになっていて、パナソニック汐留美術館にしては、比較的撮影可能な区画が多めな感じ。
最も有名なテルマエとして知られる、ローマのカラカラ浴場を250分の1の復元模型を3Dプリンタを使って再現されていた。
後半は日本の銭湯文化の紹介。
江戸時代の湯屋と昭和の銭湯の模型が展示されていた。
江戸時代の湯屋にあった、弓射る(ゆみいる)を、湯に入る(ゆにいる)に引っ掛けて、弓矢が掲げられていたようだ。
ほんと昔の日本人はそういうのが好きだなと思う。
関東大震災以降に登場した唐破風造りは、典型的な東京の”銭湯建築”だ。
身近なところでも、数を減らしていることがはっきりわかるだけに残念だ。
また、銭湯でおなじみのケロリン桶、ホーローの注意書き(ナショナルの広告付き)などが紹介されていた。全体的に作品などの解説も多めだったが、いかんせん古代ローマの事前知識が少なすぎるために、ちゃんと理解しきれてない気がしてしまった。