7383 「技を極める—伝統工芸が伝えるメッセージ」
竹橋は、今週水曜日にも来たばかりだが、またやってきた。
ただ今日は、東京国立近代美術館の前を通り過ぎ、旧近衛師団司令部庁舎へ。
ここは、以前東京国立近代美術館の工芸館があったところだが、金沢に移転して以降、通常は立ち入ることはできなかった。今日は「技を極める―伝統工芸が伝えるメッセージ」というイベントが、ここで開催しているということで見に来た。
祝日と週末を含んでいるとはいえ、開催期間はわずか5日間。
観覧無料で写真撮影もできるなんてありがたい。
展示数はわずか16だが、重要無形文化財保持者…いわゆる人間国宝の作品を含めて、タイトル通り、極められた技がふんだんに活かされた作品が紹介されている。
ガラスなど通さずに直接作品を鑑賞できるから、卓越した技術を間近に感じることができる。
目の前にあるから、つい触れたくなってしまう。
今回もそうだが、どうしても“超絶技巧”な作品に目がいってしまう。
まず繊細なデザインに目を奪われ、その後これがどのように作られたのだろうと気になり、それがわかってくると、実は想像をはるかに超える気の遠くなるような工程を経ていることにあらためて驚く…というある種の“お決まり”的な流れがある。
森口 邦彦《禅訪問着 白地位相割付文「実みのり」》は、どこかで見たことがあるな…と思ったら、三越のショッピングバッグのデザインだった。
どっちが先なんだろう…と思ってあとから調べたら、この作品を参考にしてショッピングバッグが作られたのだそうだ。
会場では、ちょうど室瀬和美氏のトークセッションをやっていた。
人間国宝の話を聞いてみたいものだが、定員いっぱいのため聴くことができず残念…。
観賞後は北の丸公園を通って、日本武道館の脇を通ったら、ものすごい人たちが集まっていたので、なにごとかと思ったら、母校の卒業式だった。
かつて自分もこの場にいたとうっすら記憶しているものの、ほとんど覚えがなく、相変わらずの記憶の悪さを実感。
ごちゃごちゃして、ちょっとうるさい感じもするが、賑やかで元気そうな雰囲気も、意外と悪くない気もした。
彼らも多くがもうすぐ社会人としてデビューする一方、自分は迎え入れる側に立つ期間が実はそんなにもう長くないと考えると、なんだか感慨深いものがある。