7377 生誕150年 池上秀畝
練馬区美術館で開催中の「生誕150年 池上秀畝―高精細画人―」展を鑑賞。
”いけがみしゅうほ”…初めて名前を聞いたが、明治時代から昭和にかけての日本画家だそうだ。
事前に少し予習していったのだが、彼の作品はまったく知らなかったわけではなく、実はこれまで見たこともあったようだ。
本展でも紹介されていたが、目黒雅叙園で彼の作品があちこちにあるらしい。
以前、目黒雅叙園に行ったときの写真を振り返ってみたら、今回の展示にあった作品と同じモチーフのような蝶があしらわれたエレベータがあった。
彼や彼が活躍した時代のことについては、プロローグで、本展の主役である池上秀畝と、同い年で同郷の菱田春草の紹介で、なんとなく理解できた気がする。
秀畝は昔ながらの師弟関係による修行を積む前近代的な方法で、春草は開校したばかりの東京美術学校で学び、様々な流派の教授陣や古画などの模写から、多様な技法を学ぶ 近代的な学校教育という方法だった。
これが、そのまま伝統的な絵画様式を守る「旧派」と、新たな日本画の創出を目指す「新派」という対立にそのままつながっていっているという。
これまで、あまりそうした旧派と新派という切り口で絵画を鑑賞したことがなかったので、興味深い。
本展のタイトルにある“高精細画人”にあるとおり、細密に描かれた作品が多く、鳥や植物などは、もはや博物画や図譜といったレベル。
ものすごい観察眼を持っていて、もう「旧派」「新派」といった垣根を超越しているような感じ。