7280 湯河原を歩く「旧ペン街」
昨夜から湯河原に滞在している。かつて、赤いペンキで塗装した店があったことがきっかけで「赤ペン」と呼ばれ、「白ペン」「銀ペン」などが続いたことで、この付近は「ペン街(まち)」と呼ばれるようになったという。
一部はいわゆる“赤線”として栄えたようだ。
あまり情報もなかったが、せっかくなので行ってみることにした。
「見附町」バス停の目の前に、カフェー建築を思わせるタイル張りの建物を発見。
いきなりテンションが上がる。その隣には、射的場があって、いかにも温泉場らしい雰囲気だ。
見どころがたくさんあって楽しい。まるで、実家の風呂を思わせるタイルは、つやを失っておらず、とても美しいし、とても手間をかけて作られた感じがよくわかる。
隣りの射的場は、かつて正面に看板が掲げてあったのだろうけど、それが外れて中の蛍光灯だけが露出した状態になっていたが、まるで、何かを意図したかのような”作品”に見えた。
それにしても、温泉場と言えば”射的”なのは、なぜなんだろう?
少しだけ周囲を歩いたが、歴史をはっきりと感じさせる建物はこの2軒だけだった。旧ペン街は、すぐ近くの落合橋を渡ったところにも広がっているということで、そちらにも足を伸ばす。
坂を上がったところの建物も、静かに自己主張している感じで気になる。
その先には、ネットで紹介されていたとおり、旧ペン街に残る芸妓置屋「仲乃家」がある。
住居と飲食店が入る“長屋”風の建物や、かなり時代を感じさせる、ラッキーというスナック喫茶の店もあった。
どっしりとした佇まいの建物もあったが、よく見ると庇は腐食して穴が開いて、明らかに手が入っていない状態だった。このままなくなっていくのも時間の問題かもしれない。