7120 昨日閉館した中野サンプラザ
昨日、中野サンプラザが閉館したというニュースがあった。
中野サンプラザは、ごくまれに中野の方に用事があったときに、見掛ける程度で、じっくり見る機会がなかった。
“なくなってしまう”となれば、やっぱり見ておきたい。
でも、混雑するなかで見るのは、ちょっとしんどいので、閉館の翌日の今日、いってみることにした。
中野駅北口は、やけに広々としている一方で、昔ながらのアーケードのある商店街も共存する、ちょっと不思議な雰囲気がある。
JR中野駅の方を振り返ると、こちらも何か工事をしている。
調べてみると、橋上駅舎化の工事のようで、ずいぶん大規模だ。
駅の真正面に建つ、中野サンプラザは、駅との間に遮るものがないのと、独特な形状と相まって存在感がすごい。
最近は巨大な複合施設が多くて現地についても迷うことがあるが、中野サンプラザは絶対に迷うことがないだろう。
もっとも中野サンプラザも”複合施設”ではあるが、現在のものと比べたらきわめてコンパクトだ。
ただ、これだけ駅から近いのだから、雨に濡れないような歩道があってもよさそうだが、そういったものもなく、建物全体が見渡せる。
遠くから見たことはあったが、こうして近くから見るのは初めて。
昨日の閉館時はかなりにぎわっていたようだが、今日はいつもの朝を取り戻しているのだろう。
駅までのショートカットルートになっているようで、地元の人たちが通り抜ける姿を見かけた。
建物近くに寄ってみる。当然も入れないが、案内図や意匠、街灯など含めて、やはり時代を感じる。
ぐるっと一周してみる。やはり気になるのは屋根の構造だ。いまだったら、きっと、太陽光パネルでも取り付けられそうだ。
地下には駐車場があり、脇には関係者や大道具の出入口がある。定礎石を見ると、昭和47年11月とあった。”たった”50年で取り壊しになってしまうのは、やはり残念。
取り壊しの理由は老朽化ということらしいが、この空間を贅沢に使った構造も理由にあるのだろう。
繰り返し思ってしまうが、どんどんと街から個性が失われてしまうのは、本当にもったいない。
帰りに銀座に寄ったが、ちょうど三愛ビルの取り壊しの様子を見かけた。
中野サンプラザと同じ林昌二の設計で、こちらは1963年の竣工だったから、60年の命だった。