5475 昭和大東京百図絵と出会う
もう何度か観に行っているが、毎月第1日曜日は無料観覧日となっている、国立近代美術館へ。
振り返るとけっこう行ってるが、常設展の展示替えもされているから、毎回新鮮だ。


そして、今回もっとも、気になった作品が「昭和大東京百図絵」だった。
作者は、小泉癸巳男(きしお)で、1923年(大正12年)の関東大震災の復興と近代化著しい東京を版画化したものだ。

1929年頒布開始、1937年完成したというシリーズだそうだが、こんな版画のシリーズがあったこと自体、初めて知った。
そういえば「名所江戸百景」も、1854年(安政2年)の、いわゆる「安政の大地震」で被害を受けた復興を復興を祈念したというから、江戸=東京を舞台にするということや、版画という手法も、作られた背景も同じという共通性が、なんだかとても面白かった。
昭和大東京百図絵について、単に僕が知らなかっただけなのかと思ったが、インターネット上でも、あまり情報がなく、詳細は分からないところが多い。

すっかり最近ご無沙汰しているけど、名所江戸百景が描かれた場所を巡る企画同様、昭和大東京百図絵も同じように巡ってみるのは面白そうだ。
作品が作られてから80年ほど時間が経っているが、江戸末期に比べれば、はるかに現在に近く、現存している建物などもはっきりしているから、独自で調べることもなんとかできるかもしれない。
なんだか、ちょっと楽しくなってきた。