7043 福島第一原子力発電所見学
これから福島第一原子力発電所の見学へ。
バスは、富岡町にある東京電力廃炉資料館へ向かう。
車窓からは、帰還困難区域のバリケードが見える。
春らしい穏やかな景色が広がっているが、当然人の姿はない。
1本目は地震と事故に至る経緯について、2本目は汚染水の処理についてのものだった。
事故に関するビデオで「東京電力には『安全は確立されたもの』というおごりと過信があった」と言い切っていたのが印象的だった。
出発前に、金属探知機を通る。
ベルトも外すように言われる。
案内していただいた副所長ですら、引っかかってしまっていたくらいだから、空港などにある金属探知機よりもはるかに精度が高い。
大きめのバスに案内していただく東電関係者と、ツアーのメンバー、そして2人のガードマンが同乗する。
10分~15分くらい?で、2つの検問を通って原発敷地内へ。
右手に処理水の入った大型タンク群を見ながら進み、あっという間に、廃炉作業現場に到着した。
現場に着いてみると、あまりのあっけなさに、ちょっと拍子抜けしてしまった。
バスでの移動中は0.3~0.6μSv/h(マイクロシーベルト/時間)くらいだった数値が、廃炉作業現場では70μSv/hを超えていた。
長時間いなければ問題ないとはわかっているが、放射線量は明らかに高い数値が出ていると、ちょっと怖い気もしてくる。
防護服を着た現場作業員の姿が数人ほど見えた。とても静かな現場だったのが印象的だった。
質疑応答の場で聞いてみたのは「汚染水を処理した水が安全ならばなぜこれほどまで溜めてしまったのか?」ということだった。
科学的にはまったく問題ないが、住民感情を考えるとそう簡単ではなく貯めるしかなかった。その間に理解してもらう努力をしていた…ということだった。
ひととおりの説明が終わり、放射性物質が体に付着していないかのチェック、個人線量計で放射線量をチェック。
線量計を見ると、自分の場合、ここまで0.1mSvだった。
これは、胃のレントゲンの撮影をするのと大差ないほどだそう。
なかなか放射線の値は難しい。
バスで再び廃炉資料館に向かう。
廃炉資料館でも質疑応答があったので、「今回のように個人を対象とした見学を増やす予定はないか?」という質問をしたところ、「見てもらうことが理解につながると考えているので、広報担当としては、少しでも見てもらえる機会を増やしたいと思っている。個人でも申し込みができる仕組みも検討中」とのことだった。
廃校になった校庭にあったつくしは、夕日に照らされて、どこか神々しかった。