6968 企画展 諏訪敦「眼窩裏の火事」
府中市美術館で開催中の企画展 諏訪敦「眼窩裏の火事」を鑑賞。
府中市美術館の最寄駅は東府中。
通常、特急などの優等列車は通過するが、府中競馬開催中に限り、特急が臨時停車してくれるので、新宿からは23分ほどで着くことができる。
そこから、府中市コミュニティバス「ちゅうバス」で府中市美術館へ。


ジャンルとしては、まるで写真のような“写実絵画”で、以前鑑賞したホキ美術館でも、彼の作品は収蔵されているようだ。

ただ、今回鑑賞して、とても強く伝わってきたのは、彼が単純に見たままとか想像ではなく、作品を制作するまでに、取材やインタビュー、文献資料による膨大な“証拠”を積み上げ、それを見える形にしたというこおだった。
写真のようなリアルな部分を見ると、これが“ノンフィクション”だと思ってしまうが、実はこの作成に至る背景こそが“ノンフィクション”なのだ。
通常の絵画であれば、抽象化された部分は、自分自身の記憶や知識で補正する必要があるが、彼の作品はでそれが一切不要であり圧倒的なリアリティをもって訴えかけてくる。
脳腫瘍で入院中の父の横たわる姿、ハルビンの収容所で栄養失調と発疹チフスで亡くなった祖母の死を“追体験”した作品、90歳を超えた老舞踏家の鍛え抜かれた姿と、寝たきりになった姿など、写真以上に突き付けられる何かを感じさせられた気がする。