6929 70年前の企画展をVR体験
1952 年に開館した東京国立近代美術館は、今月12月1日に70周年を迎えたそうだ。
いまから69年前、開館1周年を迎えるにあたって開催された「抽象と幻想 非写実絵画をどう理解するか」展を振り返る小企画を鑑賞した。
ゲームのコントローラーで当時の企画展をバーチャル(VR)鑑賞できるようになっていた。
移動も作品の拡大も簡単にできたから、正直、それほど驚きはなかったのだけど、あとから解説などで詳細を知ると、決して容易ではなく、好条件がなければできなかったことがわかる。
当時の作品がガラス乾板に収められたおかげでアップにも充分耐えられる画質が維持できているそうで、紙焼きだったら不可能だったそうだ。
現在では、同時代の作家を紹介する展示をするなんて当たり前すぎることだが、当時では新しい取り組みだったという。
当時作成された出典目録(B5サイズ)とこの企画展の調査内容をまとめた冊子(A4サイズ)を組み合わせた冊子が配布されていた。
こうしたサイズの違いも、時間の経過を感じさせる。
肝心の作品について…だが、やっぱり被写実絵画というもののハードルは決して低くないように思えてしまう。
ただでさえ、“理解が難しい”のに、VRで見られる作品はすべてモノクロになってしまっていることもあってか、なかなか頭に入ってこない感じがした。
当時展示されていた作品のごく一部が展示されていて、それを観てようやく、意識のなかに入ってくる気がした。
69年前でも副題として「非写実絵画をどう理解するか」と掲げているが、これは現在でも継続しているのではないか…と思う。
あとずっと気になっていることがあって、それはあらゆる文字が小さいということだった。
もっとも、昔の文書の文字の小ささは、これに限った話ではなく、あらゆる文字が小さいのだ。
昔の人は、良くこれで読めたな…と思うくらい。