6715 ボテロ展
Bunkamuraで開催されているボテロ展を鑑賞した。
とにかく、一度見たら忘れられないインパクトのある絵だ。
あらゆるものが“ふくよか”で丸々としている。
人物画は見た記憶はあったが、静物でも、果ては布まで同じように丸々としている。
単純に感覚的なものか、自分が痩せているせいなのか、あらためて考えてみると、丸々としていたり、ふくよかなものに対しては、自分は、とても好意的なイメージを持っている。
それだけに、こうした作品を見ると、どこか心が休まる感がある。
今回も音声ガイドを借りた。
最近はスマートフォンで聴くタイプもあって、機器を借りないぶん、そちらの方が安いのだが、今回はスマートフォンで聴く方が高かったのが意外だった。
まぁ会場を離れてからも何度も聴けるが、聴取可能期間は限られていることを考えると、高い分のメリットが感じられないので機器を借りる。
通常の解説に加えて、若手の7人組ダンス&ボーカルグループのやり取りもあった。
これはこれで悪くはないけど、去年デビューしたばかりということか、少し彼らの”宣伝”が強い感じがしてしまった。
音声ガイドでも紹介されていたが、「なぜ太ったものや人ばかりを好んで描くのか?」という問いに、ボテロは「決して太った女性を描こうとしているのではない」と言っているという。
美しさや官能性を追求しデフォルメすると、結果的にこうした作品…“ボテリズム”になっていく…らしい。
芸術作品は、作者が意識したものを具現化することで生み出される。
ボテロにとっては、意識から具現化の過程が“ボテリズム”なのだろう。