5013 エミール・ガレ展
今年は、ガレとかアールヌーボーに関連する展覧会が多かったような気がする。
以前から、いずれも、おじゃこが行きたいと言っていたが、結局、鑑賞することができたのが、今日の「オルセー美術館特別協力 生誕170周年 エミール・ガレ」展だった。
東京ミッドタウンにあるサントリー美術館へ行ってきた。
今回は、音声ガイドを借りた。
首からぶら下げる感じの専用端末の他に、個人のスマートフォンにもインストールできるというので、こちらを試すことにした。
料金は払っちゃったし、どうやってスマートフォンに設定するんだろう?と思ったら、まず無料の「ヤマハ音声ガイド」というアプリをインストールするよう、係の方に言われ、指示のまま起動。
これだけでどうやって、”有料コンテンツ”にアクセスするんだろう?と思ったら、係の方が、テーブルの上にあったクリアファイルをおもむろにひっくり返した。
そこには、QRコードがあって、このアプリでこれを読み取ったら、音声ガイドがインストールされる…という仕組みのようだった。
値段は専用端末と同じ500円で、価格的なメリットはないけど、会場を離れても何度でも聞けるのはありがたい。
知らなかったのだけど、もともと、この、サントリー美術館は、国内有数のガレ・コレクションを擁しているところに、今回、オルセー美術館と、これまた音声ガイドで初めて知ったのだけど、ダルビッシュ有の父親も、ガレの作品を収集しているようで、これらの協力によって、今回の展覧会が実現しているという。
エミール・ガレは、19世紀のアール・ヌーヴォーを代表するフランスの工芸家だ。
これまでも、ガラス作品は多く目にしてきたが、今回の展覧会では、陶器や家具、その下絵までも紹介し、彼の多彩な才能を知ることができる。
デザイン面で、東洋と西洋を融合させたり、のちに家具も作って高い評価を得るようになるが、ここで使われた寄木細工の手法が、のちにガラス作品にも応用されたり…と、高い技術があるからこそ、 けっして模倣ではなく、彼独自の作品に仕上がるのだろう。
特にすごいのは作品の下絵。
これだけで十分芸術作品になるくらい精細なもので、ガレの”こだわり”の性格が垣間見えるようだった。
一番気に入ったのは、大杯「くらげ」。
濃い青はまさに海そのものをイメージさせ、そこに、たくさんのくらげが…。そして、脚の部分に施されたゆるやかに伸びた白い模様が描かれている。
しゃがんで作品を見ると、まるで海の底から、くらげの大群を見上げるような感じがして、とてもも応えがあった。
また、最後のヒトヨタケのランプもよかった。
白血病を患い、余命幾ばくもない ガレが晩年に製作したという背景を知ると、その怪しげな色合いにも意味があるような感じがして、つい見入ってしまった。