5722 華めく洋食器 大倉陶園100 年の歴史と文化展
今日もあまり天気は良くなかったが、先週雨で行けなかった、渋谷区立松濤美術館へ行ってきた。
たった1駅だけど、渋谷から井の頭線で神泉駅へ行き、そこから歩いて向かう。
「華めく洋食器 大倉陶園100 年の歴史と文化」展を鑑賞。
日本陶器合名会社(現 株式会社ノリタケカンパニーリミテド)、東洋陶器株式会社(TOTO株式会社)・日本碍子株式会社(日本ガイシ)を設立したり、伊奈製陶所(現 株式会社LIXIL)の設立にもかかわるなど、大倉孫兵衛、和親父子は、日本の近代セラミックス産業を牽引したといっても過言ではない。
しかし、大正期、晩餐会などで用いられた高級洋食器が、海外メーカーばかりだったことを憂いた、 大倉父子は高品質な西洋陶磁器を製造する大倉陶園を創業する。
日光の金谷ホテル、箱根の富士屋ホテルをはじめ、日本の名だたるホテルや、皇室などでも使われている大倉陶園の洋食器は、海外からも高い評価を受けているという。
この企画展では、 大倉陶園の草創期から現在までの作品を紹介する。
前述した企業を通じてセラミック産業を作り上げただけで満足せず、わが国で自前の洋食器を作ろうという気概や情熱はすごい。
展示されていた作品も素晴らしいものばかりだったが、こうした作品に至るまでは、けっして簡単ではなかったはずで、” 苦難の道のり”みたいなことにも、もっと触れてもらえたら、展示にさらに奥行きが出たのではないか…なんて思った。
この、松濤美術館は、建築家白井晟一による作品で、公立の美術館としてはかなり特徴的な建物だ。
円筒形の建物の内側には、水をたたえた池と噴水があって、それを越える”空中ブリッジ”など、どこか効率性よりもデザイン性が優先された感じは、いろいろな意味で余裕のある自治体でなければ作れないんじゃないか…と思った。
作品はダメだが建物はこうしていろいろ撮影できて楽しかった。