4900 おいしい東北パッケージデザイン展2015 in Tokyo
先々週に引き続き、また六本木の東京ミッドタウンへ行ってきた。
今回見に行ったのは、「おいしい東北パッケージデザイン展2015 in Tokyo」。
これは、東北地方の10社10商品を対象に、新しいデザインを募集し、優秀作品は実用化、商品化してしまおうというプロジェクト。
会場が、大勢のお客さんの賑わうところではなく、ミッドタウンタワーの5階にあるため、知らない人が行くには、ちょっと気が引けるような雰囲気の場所。
このプロジェクト、今回は2回目ということで、入口には前回の優秀作品が展示されていた。
最初、このプロジェクトのコンセプトがハッキリわかっていなかったが、ここの展示されているのを見て、すぐにわかった。
それまで実際に商品として販売されていたデザインと、優秀賞を受賞し製品化したデザインの写真が並んでいる。
やはり段違いに、後者の方がいい。
優れたパッケージは、間違いなく購買意欲を高めることをあらためて実感。
そして、今回の対象となる10商品をチェック。
現行パッケージと商品説明、そして、応募作品に対する要望が書かれている。
【応募作品に対する要望】
・商品名の変更 〇 X △
・商品ロゴの変更 〇 X △
・包装容器の変更 〇 X △
・社名ロゴの記載 〇 X △
【パッケージデザイン改善にあたり留意いただきたいこと、また優先したいこと】
【新たなパッケージデザインにもっとも望むこと2つ】
【この展示会を通じて解決したい課題】
どの商品も作り手の熱い思いが伝わってくるが、パッケージはもちろん、社名ロゴの記載や、商品名までも変更してもいいというのは、この機会に大きく変化したいという思いの表れだろうか。
ただ…会場に、誰ひとり観覧者がいなかったのが、ちょっとビックリ。
ほんとに少ないのか、たまたま…なのか?
まぁゆっくり見られそうなのはいいけれど…。
10商品のうち、気になった現行パッケージと優秀賞受賞パッケージを並べてみる。
ごくごくありきたりなお米のパッケージが、おしゃれな箱入りパッケージに。地域のお土産にもしたい…という参加企業の意向に沿うデザイン。審査評では、手持ち部分のコスト増に触れていて、デザイン先行にならないような配慮も…。
こちらは、岩手産のお米であることをさらりとわかってもらえる上に、1つのパッケージで箱に入れる面を変えることで変化が出せて、コストパフォーマンスにも優れていそう。
こちらは、米油。 現行のパッケージも、それほど悪くはないけど、オリーブオイルに見えるという問題もあったそうだが…
あえて漢字で「山形」と「米油」の文字を入れることで、産地と商品内容を強調したパッケージとなった。
秋田県美郷町で栽培している白色ラベンダーを使用して作られたルームフレグランス。
たこのやわらか煮…こちらは優秀賞は、あんまり気に入った感じがしなくて写真を撮りそびれたため、気に入った、審査員賞受賞作品を紹介。たこの足が飛び出してる感じが、楽しくていい。
実に700点を超える応募があり、そのうち、227点が展示されていた。
最初に見た優秀賞や審査員賞などを受賞した作品と比べると、そのほかの作品は、やはり、あと一歩というか、イマイチ感は拭えなかった。
もちろん、かなり素晴らしい作品もあるのだけど、どうもありきたりの既視感があったり、懲りすぎてたり…といった作品が多かった感じがする。
このイベントと通じて、参加した10の企業と10の商品が、たくさんのデザイナーによって、徹底的に精練され、磨き上げられていくような感じがした。
提供する企業や商品の知名度向上はもちろん、デザイナーにとっては活躍の場が広がるし、こうして見学に訪れる人たちにも、地域や商品に関心を持ってもらえるわけで、とてもいい試みだと思った。